エンジニア育成の重要性はご存知でしょうか。
IT技術の向上に伴い、システムやツールの多様化やクラウドサービスの普及などの影響もあり、企業内におけるエンジニアの需要が年々高まってきています。
ITシステムの構築やプログラミング、インフラ整備など、エンジニアに頼らざるを得ない状況は高まり、それらを都度外部の業者に依頼していると膨大なコストがかかるため、以下に社内でエンジニアを囲うことができるかが求められています。
一方で、需要が高いもののエンジニア不足に陥る傾向も高く、多くの企業がエンジニアの採用に悩まされています。
エンジニアといっても担当者のレベルは千差万別であり、エキスパートのエンジニアは大手に集約する傾向もあることから、優秀なエンジニアを社内で囲うためには、一から育成していくニーズも高まっています。
新人や若手のエンジニア希望者であれば、採用コストの面でも安く対応できるため、まずは新人・若手のエンジニアを採用し、その後育成していくことを目的とする企業も増えてきています。

とはいえ、エンジニアを育成していくことは簡単ではありません。実務をこなしながら慣れさせるような認識では、結果として育成につながらず、中途半端なスキルや技術のまま終わってしまったり、育成途中で辞められてしまうことも少なくありません。
実際に、「即戦力のエンジニアを採用したいが、なかなか優秀なエンジニアを確保できない」「エンジニアをどう育成すればいいのか分からない」「エンジニアとして必要なスキルをどう指導すればいいの?」などと悩まれる担当者も多くいます。

そこで今回は、エンジニアの育成がなぜ求められているのか、その重要性やエンジニアを育成する上でのコツや、注意点などについてポイントを中心に紹介していきます。

エンジニア育成の重要性

昨今のIT技術の発展に伴い、エンジニア需要は非常に高まっています。
特に、インフラ関連のシステムやツール環境がクラウド型に移行するようになってきており、新たな技術が求められるようになってきました。
このように新しいテクノロジーが推奨されるようになる中、企業としても社内に対応できる人材を求めるようになり、エンジニア需要の高まりにつながっています。
一方で、システムやツールの開発などを行う技術者・エンジニアは、日本においてまだまだ不足しているのが実情です。そのため、IT技術の高まりとともにエンジニアの人材育成が求められています。

エンジニア教育が重要視されている背景

では、もう少し具体的にエンジニア教育が重要視されている背景について紹介していきます。日本においてエンジニアの教育が以下の観点からも重要視されています。
①転職市場の変化
エンジニア需要の高まりに応じて、転職市場も変化してきています。一般的な転職サイトやリクルーティング以外にも、エンジニア専門の転職サイトも充実してきており、企業によるエンジニア人材の争奪戦が繰り広げられています。また、SNS等を活用した直接的なアプローチも多く、企業が優秀なエンジニア人材と出会う機会が減少し、エンジニア不足につながっています。

②エンジニアの見極めが難しい
エンジニアという職種は、採用面において優劣を判断しづらい傾向があります。通常、採用時には応募者の履歴書や面接を通して判断する傾向にありますが、エンジニアの場合には履歴書や面談で判断しにくいのが実情です。
エンジニアとしてスキルを判断できる資格が整備されているわけでもないため、人柄だけでエンジニアのスキルを判別することは難しくなります。
経験や実績をもとに最終的には判断することになりますが、それでも現場で活躍できる即戦力かどうかは未知数な部分が多々あります。

③エンジニアに求めるスキルの社内理解
即戦力として活躍するエンジニアには、スキルや技術、経験と合わせ社内コミュニケーションも求められます。
このエンジニアに求める条件は、意外と社内の採用担当者には正しく理解していないケースも多々あります。
例えば、いかにスキルや技術、経験があったとしても、社内の求める用途と異なるものであれば全く役に立たないことも起こり得ます。
単にスキルや技術、経験があるだけでなく、自社のニーズにマッチしたスキルや技術があるのか、自社の要望に応えられる経験値があるのかが重要になります。この点も、企業とエンジニアで差異が生まれる要因の一つとなります。

エンジニア育成のポイント

続いて、エンジニア育成時のポイントについても紹介していきます。エンジニアを育成するために必要な項目としてまず挙げられるのがプログラミング要素となりますが、実際はそれだけではありません。
これからエンジニアを育成していく際には、以下の要素を押さえておくと効果的です。

①プログラミングスキルや技術の向上
エンジニアにおいて一番必須のスキルがプログラミングになります。エンジニアという職種の中には、システムエンジニアやプログラマーなども含まれますが、いずれの職種においてもプログラミングのスキルは欠かせません。
プログラミングといってもその種類は幅広く、ホームページを構築する上で欠かせないHTMLやCSSといったものから、Java、JavaScript、PHPの他にも、現在ではPythonやRubyなどもメジャーなプログラミング言語となります。
プログラミング言語は、使用するシステムやツール、サービスによって異なります。そのため、どれだけJavaの知識やスキルが豊富であっても、自社で扱う言語がPythonであれば意味がありません。最低限の押さえるべきポイントはどの言語においても必要になりますが、自社のシステムやツールにおいて活用している言語をまずは把握し、実際に現場で使えるように育成していくことが重要になります。

②コミュニケーション能力の向上
また、エンジニアを育成していく上で欠かせないスキルがコミュニケーション能力です。プログラミングをいくら扱うことができたとしても、開発時には社内のメンバーや社外の担当者とのコミュニケーションが必須になります。
逆に、コミュニケーション能力が低ければ、どれだけ技術が高くても依頼しにくい環境におかれる場合もあり得ます。エンジニアがシステム開発やツールの構築を行う際には、社内外からの要望が前提にあります。
この要望を正しく汲み取り、開発や構築後に気持ちよく運用してもらう必要がエンジニアには求められます。そのためにはやはりコミュニケーション能力は必要不可欠です。
社内でエンジニアの育成を行う際には、単に技術やスキルを磨くだけでなく、業務を行う意図や目的を明確にし、その上で対応するコミュニケーションを意識しておくと効果的です。

③論理的な思考の構築
コミュニケーション能力とあわせエンジニアの育成時に求められる能力が、論理的な思考の構築です。エンジニアに限らずビジネスシーンにおいて、主観的な考えではなく論理的な思考は常に求められます。
その中でも特にエンジニアには数多くの要望を求められるケースが多くなります。「〇〇の機能を追加したい」「△△の要素も足したい」「□□までに構築したい」などの要望に対し、全てを受け入れていると費用や工数の面で大掛かりになることも少なくありません。
そのため、以下に効率よく開発・運用につなげる上で、何を重要視するのか、どこを効率化させるべきかなど、悩みを聞きつつも論理的に対応策や解決策を検討していく必要があります。

また、論理的な思考を行うとともに、エンジニアには想像力や読解力も求められます。自社内だけでなく、クライアントからの要望も絡む際には、相手がどういった悩みを抱えており、どういった解決を求めているのか読み取る必要があります。
悩み事に対してシステムやツールによって解決していくためには、0から1を生み出す想像力が欠かせません。まずは意図を汲み取り、論理的な思考とともに解決策を模索していくことが重要です。

エンジニア育成の際に注意する点

ここまでエンジニアを育成する上で押さえておくべきポイントについて紹介してきましたが、続いては育成時の注意点についても紹介していきます。エンジニア育成には、闇雲に指導するのではなく、以下の点を押さえておくと効果的です。

①エンジニア個人と向き合った育成を心掛ける
エンジニアに限らずですが、社員を育成する上でマニュアル一辺倒になるのではなく個人と向き合った育成を行うことが求められます。
エンジニア志望の方は専門性の高い知識や技術を有しているため、性格やスタイルも通常の一般職員よりも異なるタイプが多い傾向にあります。
それゆえに、単純なマニュアル通りの育成よりも、個人の価値観や人間性を考慮した教育方法の方が効果的な場合も多々あります。担当者の性格を理解し、最適な育成方法を検討すると効果的です。

②報連相を重要視する
育成のポイントでも紹介したように、エンジニアにはコミュニケーションや論理的な思考が求められます。そのため、育成時に何か実務や依頼を行った際には必ず報連相を意識すると効果的です。報告・連絡・相談は、コミュニケーションを図る上で重要な要素となります。
仮にスキルや技術が追い付かなくとも、報連相ができていればビジネスとして成り立たせることが可能になります。
ビジネスシーンにおいて育成したエンジニアには作業をこなすだけではなく、案件管理も合わせて依頼することが多くなります。その際に役立つよう、育成の段階から報連相を意識しておくと効果的です。

③風通しの良い環境づくりを意識する
育成時に風通しが良い環境づくりを意識しておくことも重要です。指導者側が一方的に伝えたことをただ行うだけの育成では、その後の成長につながる可能性は低くなります。
育成を行うエンジニア側からも意見が述べられる環境でなければ、ストレスに感じてしまい育成途中で辞めてしまう可能性も高まります。
育成途中のエンジニアが辞めてしまえば、また一から人材採用を行い育成していく必要があり、そこには工数もコストも別途必要になります。
そうならないためにも、エンジニアが働きたい、そのために学習したいと思える環境づくりに配慮することが重要です。

④実際にチャレンジできる環境の提供
エンジニアの育成において、最も効果的な手法は案件を体験しながら覚えさせることです。もちろんスキルや技術の習得は必要不可欠ですが、100の知識を教えるよりも1の実績を与える方が効率的な場合も多くあります。
とはいえ、いきなり丸投げしたり、むやみに依頼するだけではエンジニアの育成にはつながらず、ストレスに感じるだけになりますので、必ずサポートをつけたり企業内の組織としてバックアップ体制を取った上で行うことが重要です。

⑤定期的な学習機会の創出
エンジニアとして必要な知識やスキル、技術は日々変わっていきます。IT技術の変革は目まぐるしく、常に最新の情報を把握しておくことが求められます。そのため、育成後であっても定期的に学習機会を創出することが重要です。
昨今ではオンラインを介したセミナーやエンジニア系のイベントも多く提供されています。このような機会に参加したり、その後に社内で共有会を設けることも効果的です。

⑥エンジニアの育成には長期的な目線で考える
社内でエンジニアの育成を行うと、いかに早く即戦力に出来るかに注力してしまい、研修や育成期間を十分に設けずに案件を任せてしまうことが多々あります。
このような場合、自社の状況やエンジニア個人の状況を鑑みていないため、結果として不十分なものが出来上がったり、ストレスでエンジニアが辞めてしまうことにもつながりかねません。
エンジニアの育成には十分時間を考慮し、長期的な目線で進めることが重要です。

エンジニア育成をする際にどんな計画を立てる?

エンジニアの育成時に考慮すべき計画方法について紹介していきます。
社内でエンジニアを育成する場合、ある程度の育成計画を事前に定めておくと効果的です。
この育成計画では、おもに「現状把握」「目標設定」「育成手段」の3つの観点に則って計画立てしていくといいでしょう。
まずは、対象のエンジニアが過去にどういったスキルや技術を身につけており、過去の実績などをふまえてどういった得意・不得意があるのか把握しておく必要があります。
その際に、自社で扱うプログラミング言語や案件傾向、今後の方針などを整理しておき、エンジニアにどういった点を身につけてもらいたいかも把握しておくと効果的です。

また、現状で把握した内容をふまえ、課題や目標が具体的に出てきたのであれば、それをいつまでに対応するのか、目標設定を行うと効果的です。この際に、さらにどういった手法を用いて育成していくかも固めておくといいでしょう。マニュアルはもちろんのこと、実際に案件を想定してテストで試しながら育成していくことも有効です。どういったシステムやツールを活用し、どう進めていくのか具体的に把握しておくと効果的です。

エンジニア育成が可能なサービス

ここまでエンジニア育成の重要性やメリット等ご紹介をしてまいりましたが、
ここからからはエンジニアの育成が可能なサービス資料をご紹介いたします。
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目次
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02.カリキュラム受講前のよくあるお悩み
03. SPEC『Microsoft Azure』カリキュラム概要
04. SPEC『Microsoft Azure』カリキュラムの導入事例
05. その他サービス紹介
06. お問い合わせ

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エンジニア育成まとめ

いかがでしたでしょうか?
IT技術の発展に伴い、エンジニア需要は近年非常に高まっています。争奪戦ともいえる採用活動に力を入れる一方で、社内で一から育成していくことも求められています。即戦力をすぐに採用することは容易ではありません。長期的な目線でエンジニアを育成していくことは先々を考えると効果的な手法となります。とはいえ、しっかりと準備した上で育成を行わなければ、中途半端なスキルのまま案件を任せることでトラブルの原因となったり、またはエンジニアが途中で辞めてしまうことにもつながりかねません。今回紹介した内容も参考に、正しい育成方法と注意点なども考慮した上で、自社にとってカギとなるエンジニアを育成していきましょう。