2020、2021年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの企業、学校などは感染対策の観点から対面で行っていた形態をリモート、オンラインへの形態へと移行していきました。そこで、東京から離れていく人、ライフスタイルを変えた人など、従来の働き方、学び方の多様性が問われるようになってきました。

企業、学校のリモート化、オンライン化を受け、私たちの生活に少しずつ身近な存在になりつつある「eラーニング」について今回の記事では詳しく見ていこうと思います。

eランニングシステムとは

eラーニングシステムとは、簡単に言うとコンピューターやインターネットを利用して従来までの学びを電子化させたものであり、「オンライン学習」「オンデマンド学習」と呼ばれることもあります。タブレットやスマートフォンを用いて簡単に学習することができ、教材には、映像やアニメーション、CG、VRなど様々な教材の種類が存在するため、自分に合った学習方法・プランを選定することができることから近年、より一層注目を集めているサービスの一つです。

eラーニングの歴史

eラーニングの始まりは、1970年代にまで遡ります。当時のeラーニングは「コンピューター支援教育」と呼ばれ、コンピューターを従来の学習、教育の補助的な道具として活用し始めたことがeラーニングの始まりでした。ただ、当時はコンピューター、スマートフォンの保持が当たり前の世の中ではなかったため、知名度、利用者ともに限定的なサービスの一つでした。

その後、ITの発展とともに、1990年に「eラーニング」という表現が登場しました。もともとeラーニングの技術やサービスはアメリカで開発されたものであり、ちょうど2000年あたりからその技術が日本国内にも伝えられ始めるようになりました。
さらに当時は、スマートフォン・パソコンなどの電子機器が急速に普及し始めていたこともあり、電子機器の普及に比例して、受講場所・時間を選ばない「eラーニング」は徐々に注目を集めていきました。

近年では、電子機器の保持率がほぼ100%に近いほど当たり前の存在になっており「eラーニング」というサービスは誰でも、どこでも、いつでも受けられるサービスとして認知が高まってきています。
また、現在新型コロナウイルスの普及に伴った、働き方改革、学び方改革が実行されている中で、時間、場所を選ばない「eラーニング」の需要は今後も高まり続けると予想され、まさに時代にマッチした必要不可欠なサービスに変わりつつあります。

今後の「eラーニング」サービスの発展として期待されていることにAI(人工知能)の導入、VR(仮想現実)の導入というものがあります。まず初めにAIの導入により期待できる効果として、より大規模なデータから分析できるようになることから、より学習の質を高められることが期待されています。
続いて、VR(仮想現実)も「eラーニング」サービスに導入されつつあります。VRの導入によって、従来の「eラーニング」の課題でもあった実技などリアリティを要求される学びについても学習できるようになり「eラーニング」で学べる学習の幅がさらに広がっています。

eラーニングで学べる分野

・Officeシリーズ
・ビジネスマナーシリーズ
・語学シリーズ
・学校向けシリーズ
・資格試験対策シリーズなど
上記のようにeラーニングで学べる分野は、マナーなど常識的なことから資格の対策など専門的な知識まで幅広く取り扱っており、一人一人のニーズに合わせて必要な時に学習することができます。
これから導入されていく分野の一つにVRを利用した実技型の「eラーニング」があります。今まで「eラーニング」課題であったリアリティのある学習が「eラーニング」でも期待できるようになるため、「eラーニング」を用いてすべての分野の学びが実現する日もそう遠くない未来として存在しています。

eラーニングのメリット・デメリット

●メリット
✓場所や時間に縛られることなく学習できる
✓教育の品質を統一化できる
✓教育コスト削減につながる
✓自社、個人の容易にあった学習をカスタマイズできる
✓学習の進捗、フィードバックを管理することが出来る

・場所や時間に縛られることなく学習できる
eラーニングサービスの最大のメリットはやはり、場所や時間を受講者側が自由に選定できることでしょう。現在では、受講する媒体としてスマートフォン、パソコンがといったモバイル端末が主流になっており、モバイル端末を保持している人であれば、いつでも、どこでもeラーニングを利用して学びを深めることが出来ます。ITが進んだ現在社会では当たり前になっていますが、当時「移動の必要がない」という点で画期的なサービスでした。

・教育の品質を統一化できる
従来の対面型授業、研修では、受講者の数に応じて講師を手配する必要がありました。仮に学ぶ内容、テキストが一緒であったとしても講師によって、わかりやすさ、進行度合いは違ってきます。それにより、講師によって受講者の理解度が異なってしまい、同じ値段なのに、同じ価値の学びを得ることが出来ないという状況が生まれてしまいます。
しかし、その点「eラーニング」を用いることにより、受講者の数がどれだけ増えても「eラーニング」の教材は同一なため、講師の質に左右されることなく、受講者全員が同じ価値の学びを得ることが出来ます。さらに「eラーニング」を行う教師は、その道のプロフェッショナルであり、最も価値の高い授業を受講者全員が受けることが出来ます。

・教育コスト削減につながる
従来の集合型の学習を用いた場合、場所の確保、参加者のスケジューリング、人材育成にかかる経費など、時間、労力、お金の面で莫大なコストを必要としています。
その点「eラーニング」では、場所の確保、スケジュール調整、講師なしでも学習できる点で、あらゆる面において教育コスト削減につなげることが出来ます。
また、教育者側も一度、内容、教材が出来上がってしまえば、毎回授業場所に足を運び、授業をする手間がなくなります。
このように、教育の負担、経費を削減しつつ、より効果的な学習が期待できます。

・自社、個人の容易にあった学習をカスタマイズできる
「eラーニング」サービスは企業・受講者の理念、課題、予算感に基づいて、プランを選定、カスタマイズすることが出来ます。「eラーニング」の教材は人ではなく、ものとして扱っているので、研修の自由度が比較的高いという点も「eラーニング」の大きな強みといえるでしょう。
ただ、自社、個人に合わせたプラン、カスタマイズを行うと予算が高くなってしまう場合があるので、あくまでも理念、課題、費用感のすべてで納得できる調整が必要となってきます。

・学習の進捗、フィードバックを管理することが出来る
オンライン上で受講者の管理ができる「eラーニング」システムなら、学習の進捗状況や成績などを自動で処理することも可能です。これにより、手入力の手間や人為的なミスを避けることが出来ます。このシステムを用いた一元管理により正確性、効率ともに向上を図ることが可能になってきます。

●デメリット
✓受講者のモチベーション維持が困難
✓受講する環境、端末が必要
✓実技を用いる学習は習得しづらい
✓始める際に金銭、労力の面で大きなコストがかかる可能性がある

・受講者のモチベーション維持が困難
「eラーニング」は受講者がやりたいときに好きなだけ受講できるというメリットが存在する反面、受講方法が個人に依存してしまうため、受講者にそれだけのモチベーション、意思がないと効率的な学習を継続することが出来ないといったデメリットも存在しています。

・受講する環境、端末が必要
「eラーニング」はパソコン、スマートフォンなどの端末をインターネットに接続できる環境があって初めて運用できるサービスであるため、そもそも電子端末を保持していない、インターネット環境が利用できない状況に置かれた場合、学習することが出来ないというデメリットが存在します。
そのため「eラーニング」の導入をもし検討しているのであれば、端末の保持、インターネット環境を整えてから導入する必要があります。

・実技を用いる学習は習得しづらい
「eラーニング」はあくまでも画面を通してのやり取りが多いため、技能の取得など実技を通した臨場感を必要とする学習方法には不向きといえるでしょう。ただ、最近ではVRを用いての「eラーニング」も出てきており、実技にも対応できる施策は続々と進出しています。

・始める際に金銭、労力の面で大きなコストがかかる可能性がある
ノウハウが全くない中で、自社に合わせた「eラーニング」教材を一から作るには想像以上の手間とコストがかかってしまいます。そのため、最初は専門家に委託するのがおすすめです。
また、自社に合わせた、プラン、カスタマイズを行うだけでも莫大なコストがかかってしまう可能性もあるので導入には最新の注意が必要になってきます。ただ、継続的にその教材を使っていくことを考えれば、ある程度の初期投資はあっていいのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか?
「eラーニング」の過去から現在、これからの発展まで、詳しく見ていきました。「eラーニング」は時代にマッチした必要不可欠なサービスに変わりつつ、今後も一層発展を遂げるサービスの一つであると感じます。

ただ、メリット、デメリット様々ありますが、一番はやはり、自社、個人に合った学習方法を選定することが最も重要であり、導入には慎重な精査が必要になってきます。

現在すでにeラーニングを利用している方、まだ使ったことが無い方もいると思いますが、今回の記事を参考にぜひ今後に生かしていただければと考えております。