ビジネスが多様化し、競争が激しくなっていくと正しい経営判断をしていくということが何より重要となってきます。
ただ、そのためのデータをただ集めれば良いというわけではなく、適切なデータを集め、それを可視化して整理して利用しやすくするということが重要です。
そのために利用されているのが「レポーティングツール」です。
そこでここではレポーティングツールとはどういったものか、その機能やメリットはどういったものかについて紹介していきたいと思います。

レポーティングツールとは?DXやIoTが進む今、データの可視化が重要に

レポーティングツールがどういったものか、なぜこれが必要だったのかということについて紹介をしていきます。

レポーティングツールの概要とは

レポーティングツールとは社内のあちこちに点在しているデータを取り込んで、抽出、分類、並べ替え、グラフ化をすることでデータを全体的に可視化してビジネスに活用できるレポートを作成することができるツールです。
これによって重要な経営判断をする時などに必要なデータを作成することが可能となります。
単純にデータを数値化して並べるだけではなく、色彩を変えて見やすくしたりすることにもたけています。

なぜレポーティングツールが必要となったのか

近年注目を集めているレポーティングツールですが、それは必要性が高まってきたことが関係しています。
もともとのビジネスは「実物」を扱うのが一般的でした。
金、ものが目の前にあってそれが実際に取引されていったのです。
何かものを売ったら現金で支払いをしてもらうというのが基本でした。

しかし、それでは効率が悪いということから、ものだけを運んで納品し、代金は後で貰うという形式に変わっていきます。
この時に扱われたのは紙媒体の伝票でした。
伝票などから請求書を作成し、それを送付することで請求していたのです。
ただ、これも最近では電子化が進んできました。
伝票や請求書もデータで送信されるようになり、支払いも現金ではなく口座に振り込みなどで行うようになったのです。
こうなるとデータだけでやりとりがされるようになっていくため、数字データから全体の運営をしていく必要が出てきたのです。

数字データから全体のビジネス像を把握するために必要となったのが「データの可視化」なのです。
ただ、会社のあちこちの部署で把握している数値を集計して整理することは人力で行うと非常に手間がかかる上にミスも誘発されます。
その膨大な量のデータを適切に取り出し可視化することができるのがレポーティングツールなのです。

レポーティングツールの主な機能は?BIツール・帳票ツールとの違いも解説!

ではレポーティングツールにはどういった機能があるのでしょうか。
ここではレポーティングツールの主な機能を紹介するとともに、BIツールなどとの違いについて紹介していきます。

レポート作成機能

この機能はレポーティングツールの中心となる機能となります。
データを集積して整理し、加工したり分析したりすることが可能です。
主な機能としては以下のようなものがあります。
・グラフ化機能、分析機能
さまざまな場所から取り込んだデータから必要な項目を抽出した上でグラフ化することができます。
データを見やすくすることで、問題点や課題に気づきやすくなり、解決につなげやすくなります。
また、ドリルダウン分析や集計軸の入れ替えが可能となっており、グラフの種類も豊富なものが多くなっています。

・自動加工機能
事前に並べ替え、集計、グラフ化などを登録しておき、それらを使うことで簡単にデータを加工することができます。
また、いくつかの操作をつなげて操作できるという特徴もあります。

・定型レポート作成機能
定期的に必要となるレポートを自動で作成する機能です。
ルーティンで利用されるものなどは指定した人(代表者や担当者など)に送信することもできます。
同じ人に同じ時期にレポートを送信したいという時などに非常に便利な機能です。

・自動集計機能
あちこちに点在しているExcelのシートを自動で集約することができます。

・最新データ更新
すでに保存されているレポートのデータを最新データに更新することができる機能となります。

・ダッシュボード作成機能
こちらはすべてのレポーティングツールに搭載されているわけではありませんが、レポートをいくつか並べてダッシュボードすることができる機能です。

データ入出力機能

レポーティングツールではExcelだけでなくPDFなどさまざまな形式のデータを取り込むことができ、出力することができる機能が搭載されています。
主な機能としては以下のようなものがあります。
・Excel連携機能
データを作成する際にExcelが多く使われています。
Excelで作成したレポートを取り込んで、データを集めて分析することができます。

・複数のファイルを連携する
表、データベースなどを連携させて必要なデータを抽出することができます。

・マルチデータアクセス
さまざまなデータソースに同時に接続してデータを収集する機能です。
Excel、CSV、XML、Accessなど主なデータソースであれば接続可能となっています。

・メール連携機能
データを集めて作成したレポートをメールに添付して送信することが可能です。
また、レポートの作成からメールに添付して送信までを自動化することもできます。

管理、セキュリティ機能

レポーティングツールには管理、セキュリティ機能も搭載されています。
・アクセス権限管理機能
作成したレポートにどこからアクセスできるか、どこまで閲覧することができるかといったアクセス制限を設けることが可能です。

・セキュリティ機能

重要なレポートのアクセスやダウンロードを禁止することができます。
その他にも印刷制限やメールの添付制限などをかけることができるものもあります。

・アクセス、ログ管理機能
利用状況、検索履歴などのログを管理することができます。

BIツールや帳票ツールとの違い

レポーティングツールと似た機能を持つものとして「BIツール」や「帳票ツール」があります。
これらのツールとは似た機能があるのですが、もちろん違っている部分もあります。
それらとの違いを順に紹介していきます。

・BIツールとは
こちらはデータ分析をメインにしているツールです。
Excelなどで収まりきらない量の時系列データを扱うことができるETL機能やDWH機能が備わっており、商品管理、顧客管理などを得意としています。
そういった意味ではレポーティングツールに似た機能があるとも言えますが、相対的にシステムの規模が大きい場合が多く、データを統合したり分析したりする際に専門的な知識やスキルが必要になることがあり、だれでも簡単に操作できるというものではありません。

・帳票ツール
こちらは業務システムなどの帳票作成を補助するツールです。
すべてのサービスの中に備わっているわけではありませんが、グラフ作成機能などがある場合もあります。
主に、請求書や納品書などの帳票フォームの設計機能、既存帳票の取込み、帳票印刷、PDF出力などのように帳票を作成するのに特化したツールだと言えます

レポーティングツール導入のメリットは?データの可視化で業務効率化・経営状況全体把握!

まず報告書の作成期間が大幅に短縮されるというメリットがあります。
あちこちに点在しているデータを簡単に収集し、そのデータを集計、分析してレポートを作成することができるので手作業でデータを集めるよりもはるかに早く作成することが可能となります。
また、作成される報告書はグラフ化、ビジュアル化などによって強調したい部分などがはっきりしており見やすく、インパクトのあるものとなっています。

また、時間が短縮できることで業務効率を上げる、生産性を向上させるということにもつながります。
その他にも、ツールが自動でレポートを作成してくれるようになると人的ミスが発生しないこととなり、データの正確性も上がることとなります。
ルーティンで作成している報告書なども自動で定期的に作成できるのもメリットとなります。

そして作成されたレポートは運営方針、経営判断などを決定する際に重要な要素となります。
これらがレポーティングツールを利用するメリットだと言えるでしょう。

レポーティングツールの選び方・導入する際の注意点!~価格やセキュリティーから最適なシステムを選ぶ!~

レポーティングツールにも色々と種類があり、搭載されている機能が違っています。
そのため、それぞれの特徴や機能を踏まえた上で、自社に適したものを選ぶことが重要となります。
ここではレポーティングツールの選び方や導入する際の注意点について紹介していきます。

まず、重要となるのが「使いやすい」ということです。
レポーティングツールの中には関数やマクロで自動化してレポートを作成できるものや、ログインしなくても定期的に自動でレポートを作成してくれるものもあります。
しかし逆にある程度専門的なスキルがなければ使いこなせない上級者向けのサービスもあります。
重要なことは社内の誰でも使いこなせるということであり、機能が多ければ良いというわけではありません。

また、データ作成はExcelで行われることが多いということもあって、Excelからファイルにアクセスできたり、Excelファイルをアプリ化したというサービスもあります。
こういったサービスであれば、比較的だれでも使いやすく、導入もしやすいものとなっています。
このように機能が多いということではなく、現在の会社で使っているデータやツールと連携しやすい、運用しやすいサービスを選んでいくと効率的にレポーティングツールを利用できるでしょう。

レポーティングツールまとめ

レポーティングツールは利用することで効率よくデータを可視化できるというメリットがあります。
特に毎月、毎週、毎日と定型のレポートを作成している会社ではレポーティングツールを導入することで大きなメリットが発生すると言えます。
まだ導入していないという会社であれば、まず無料体験版やトライアル版を利用してみることをおすすめします。