「IT導入補助金」はご存知でしょうか。
世界中にIT化が進んでいる昨今では大企業だけでなく、中小企業もその波に飲まれつつあります。
しかし単純にIT化といっても「具体的に何をすれば良いかわからない」「導入する資金がない」といった声も多くあります。
そこでここでは条件を満たしていれば国から補助金が出るという「IT導入補助金」について細かく紹介していきたいと思います。

IT導入補助金とは

「IT補助金」とは令和元年度補正「サービス等生産性向上IT導入支援事業」のことを指しています。
こちらは生産性の向上に取り組んでいる中小企業・小規模事業者等(個人事業主含む)の人、企業を対象に、業務効率化などを行うことができるITツールを導入する際の費用の一部を国が補助するという制度です。
補助はITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入する際の対象経費の2/3(ただし50万円以下は補助率3/4)、最大350万円補助するというものとなっています。

2021年11月26日に閣議決定された令和3年度補正予算案でもこの制度が盛り込まれており、12月20日の国会で補正予算案が可決されて正式に成立しました。
2022年(令和4年)は、2021年と同様の通常枠に加えて2021年の特別枠に替わり、「インボイス制度への対応も見据え、クラウド利用料を2年分まとめて補助するなど、企業間取引のデジタル化を強力に推進します」という趣旨の「デジタル化基盤導入枠」の公募がされています。
「デジタル化基盤導入枠」では、会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトのITツール導入などが想定されており、さらに補助の範囲を強化したこととなっています。

また、「デジタル化基盤導入枠」では、ソフトウェア導入と合わせて、ハードウェア購入費として、PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器(補助額:最大10万円、補助率:1/2)、レジ・券売機等(補助額:最大20万円、補助率:1/2)の補助も行われています。

この制度を利用することで、導入を考えている中小企業では実質費用の3分の1でITツールを導入できることとなります。
また、ITツールを提供する側のITベンダーでは自社のIT製品やサービスの販売に活用することで実質3分の1の価格で販売することが可能となり、価格競争に有利となります。
幅広い企業で利用できる制度だと言えるでしょう。

IT導入補助金の対象となる企業様って?

ここではIT導入補助金を利用することができる企業の条件について紹介していきます。

まず基本的に「中小企業・小規模事業者等であること」ということがあります。

業種・組織形態 資本金 常勤従業員
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業

並びに工業用ベルト製造業を除く)

3億円 900人
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人
医療法人、社会福祉法人、学校法人 300人
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 100人

また、
・交付申請時点において、日本国において登録されている個人または法人であり、日本国内で事業を行っている
・交付申請の直近月において、申請者が営む事業場内最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上である
という条件もあります。

逆に上記の条件を満たしていても以下の項目に当てはまる場合は申請することができません。
1.以下の①〜⑥のいずれかに該当する事業者
①発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業・小規模事業者等
②発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業・小規模事業者等
③大企業※の役員又は職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者
④発行済株式の総数又は出資価格の総額を①~③に該当する中小企業・小規模事業者等が所有している中小企業・小規模事業者等
⑤①~③に該当する中小企業・小規模事業者等の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている中小企業・小規模事業者等
⑥確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業・小規模事業者等

大企業とは、上記の表に規定する中小企業者以外の者であって、事業を営む者をいいます。
ただし、次のいずれかに該当する者については、大企業として取り扱わないものとします。
・中小企業投資育成株式会社法に規定する中小企業投資育成株式会社
・投資事業有限責任組合契約に関する法律に規定する投資事業有限責任組合
2.IT導入補助金2022において「IT導入支援事業者」に登録されている事業者
昨年度以前の事業にて登録されている場合は除きます。
IT導入支援事業者の代表者及び役員の経営する企業等が、補助事業者として申請を行った場合、その申請は無効となります。
3.経済産業省から補助金等指定停止措置または指名停止措置が講じられている事業者
4.風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に規定する「風俗営業」、「性風俗関連特殊営業」及び「接客業務受託営業」を営む事業者(旅館業法第3条第1項に規定する許可を受け旅館業を営む事業者(風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営むものを除く)を除く。)
5.過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている事業者
6.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団等の反社会的勢力に関係する事業者
7.宗教法人
8.法人格のない任意団体
例:同窓会・PTA・サークル等
9. その他、本事業の目的・趣旨から適切でないと経済産業省及び中小機構並びに事務局が判断する者

IT導入補助金を申請する際に重要なものとは

IT補助金を申請する際にはいくつかの書類が必要となります。
ただ、一部は法人と個人事業主で違う場合があるので注意が必要です。
ここでは令和4年度に申請する場合を例として紹介します。

「法人の必要添付書類」
・履歴事項全部証明書写し(発行から3か月以内のもの)
・税務署の発行する法人税の直近の納税証明書(その 1 またはその 2)

「個人の必要添付書類」
・運転免許証(有効期限内のもの)もしくは運転経歴証明書もしくは住民票の写し(発行から3か月以内のもの)
・税務署の発行する法人税の直近の納税証明書(その 1 またはその 2)
・確定申告書 B の控え(令和3年(2021 年)分の確定申告書)
※ただし、やむを得ない事情がある場合は令和2年分の提出も可能とする。

<確定申告書は、税務署が受領したことが分かるもののみを対象とする>
・ 確定申告書第一表の控えに収受日付印が押印されていること。
(税務署において e-Tax により申告した場合は、受付日時が印字されていること。)
・ 自宅からの e-Tax による申告の場合は「受信通知(メール詳細)」を添付すること。

IT導入補助金を申請から受給までの流れとは

IT導入補助金の申請を行うには必要書類を揃えるだけではなく、他にも色々と必要となるものと行わなければならないことがあります。
ここではそれらを踏まえて申請の流れを紹介していきます。

・「gBizIDプライム」を取得する
もし「gBizIDプライムアカウント」を持っていない場合には「gBizID」ホームページから取得をすることができます。

・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言を行う
さらに宣言内容の確認に際し、事務局が一部の交付申請情報を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と共有することに同意することが必要となります。

・数値目標を作成する
補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上及びこれらと同等以上となる数値目標を作成することとなります。
ただし、過去3年間に類似の補助金(IT導入補助金2019、2020、2021)の交付を受けた事業者については、当該指標を強化し、1年後の伸び率が4%以上、3年後の伸び率が12%以上及びこれらと同等以上の、数値目標を作成することが必要となります。

・交付申請に必要な情報を入力し、必要書類を必ず提出する
その際、1つの申請事業者につき、1つの携帯電話番号を登録します。
登録された携帯電話番号宛てにSMSで申請に必要なパスワード等の通知があります。
また、登録された携帯電話番号に対し事務局からの連絡があった際には応じる必要があります。

・事務局に報告をする
IT導入支援事業者と確認を行ったうえで、生産性向上に係る情報(売上、原価、従業員数及び就業時間、給与支給総額、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)等を事務局に報告します。

・以降は申請マイページを利用する
申請が問題なく進んでいくと、事務局より申請マイページが付与されます。
以降はこの申請マイページを使用して本事業に係る申請、各種手続き等を行うようになりますので、申請マイページに係るログインID及びパスワードは、責任をもって適切に管理し、IT導入支援事業者を含む第三者に渡さないようにしなければなりません。

ここまで順調に申請が進んでいき、申請が認められれば受給を受けることができることとなります。

IT導入補助金申請時に苦労すること

IT導入補助金は適切に利用することができれば経済的負担を大きく減少させることができるのですが、とにかく手続きが難しいということと、申請しても必ず認められるわけではないという複雑さがあります。

どういった点がIT導入補助金申請時に苦労するのか

申請が採択された後でもITツールの導入や完了の報告、審査などの際に申請案内の見落とし、手続きの不備や忘れなどによって補助金が支給されないということもあります。
正しく手続きを行うためには、支給案内の関連資料をしっかりと読んで確認した上で理解して対応していく必要があります。
しかしこの関連資料が膨大な量があるためややこしくなっています。
IT導入補助金事務局が発行した主な資料だけでも、補助金の入金までに、ITベンダーで8種374ページ、補助事業者で4種225ページ(IT導入補預金2021の場合)という量があります。
これだけの資料をしっかりと把握して適切に対応していくというのが大変なのです。
さらに、これまでのIT導入補助金では、交付申請期間中や事業実施期間中に、手続きの変更等があるため、それにも対応しなければならないという難しさもありました。

用意しなければならない書類が多い、適切に対応するためには膨大な資料を読んでいかなければならない、不備があったり忘れたりしていると補助金が支給されないということが高い壁のようになっているのです。

申請サポートを使うという方法もある

複雑なIT導入補助金については企業や個人事業主がそれぞれで行うというのは多くの作業をこなす必要があるので負担が大きいものとなっています。
自社で申請を行うのが難しいという場合には申請サポートサービスを利用するという方法もあります。
こういったサポート会社では、「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」などの補助金や助成金の申請サポートサービスを行っており、煩雑な申請をサポートしてもらうことができます。

また、単純に作業をしてもらうだけでなく、高い採択率を誇っているという特徴もあります。
最近では実際に補助金が採択された場合にのみ報酬を支払うという「完全成功報酬プラン」を打ち出しているところも増えてきており、着手金は無料で補助金が採択されなかった場合には一切費用がかからないというものになっています。
・申請を行っているがなかなか採択されない
・申請作業が担当者の大きな負担となっている
・ITツールが登録できなくて申請手続きができない
といったことで悩んでいる場合は、ぜひこういった申請サポートサービスを利用することをおすすめします。

IT導入補助金に関する資料一覧

IT導入補助金に関してまとめてきましたが、IT導入補助金に関する資料をいくつかご紹介いたします。
興味があるIT導入補助金に関する資料があれば是非一度ダウンロードしてみてください。

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【この資料を読んでわかること】
・事業再構築補助金をわかりやくまとめているから、概要を理解できる
・補助金申請に必要な手続きや、補助金申請までの流れが理解できる
・各プランの料金がわかる
・補助金申請時の必要書類がわかる

【目次】
① 弊社概要
② 事業再構築補助金とは?
③ リアリゼイションのサポート内容
④ 採択企業様の実績
⑤ よくあるご質問

【この資料を読み終える時間】

こちらの資料は約3分で読み終える事が出来ます。
「わかりやすく」「簡潔に」まとめているので、是非ご覧ください。

https://cloud.media-radar.jp/detail1610.html

IT導入補助金まとめ

IT化が進む現在では、中小企業にもその波が押し寄せてきています。
しかし導入費用の問題で導入をためらっているという企業も多くあります。
そんな際には「IT導入補助金」をうまく利用することで、実質費用の半分以上を補助金で賄うことができるという方法があります。
手続きは多少ややこしい部分はありますが、申請サポートサービスなども利用してぜひ利用を考えてみましょう。