経費精算とは、企業で働く従業員が出張費や交通費、接待交際費などを立て替えて支払ったり、備品の購入費などを経費として計算し、精算することです。
経費精算を行っていくためには立替金の申請や承認、経理からの振込処理が行われて立て替えた従業員にそのお金が支払われるまでの一連の作業が必要となります。
そのため、業務が非常に煩雑になりやすく、時間と手間がかかり、ミスやトラブルも起こりやすいものとなっています。
そこで注目されているのが「経費精算システム」です。
ここでは経費精算システムの機能や導入メリット、選び方などについて紹介していきたいと思います。

経費精算システムとは

経費精算システムはその名前の通りに、経費の精算に役立つ業務効率改善ツールです。
ここでは経費精算システムの概要とそれに関連する電子帳簿保存法の改正について紹介していきます。

経費精算システムの概要は

経費精算システムは交通費の精算、出張費の精算、備品購入などの経費の精算を自動化、効率化するためのシステムです。
システムを導入すると、ICカード読み取り、乗換案内アプリなどと組み合わせて使用することで、自動化で計算されるだけでなく、交通費の不正請求なども防ぐことが可能となります。
また、写真撮影機能、スキャン機能、ICカード連携機能など自動で経費が入力されることで担当者の負担を大きく軽減することが可能となっています。
さらに写真撮影機能で領収書やレシートなどを撮影してアップロードしておくことによって電子帳簿保存法に対応できるようなシステムもあります。

経費精算システムと電子帳簿保存法との関係は

経費精算の際に必要となる領収書やレシートなどは会社で一定期間保存しておかなければならないという法律があります。
しかしこれらの紙媒体の領収書などは保管場所が必要となるだけでなく、必要な時に必要なものを取り出すのが面倒ということもありました。
そこでそれらを電子データとして保存するということが考えられたのですが、これを適用するには厳しい条件が設定されていました。
ただ、2022年に電子帳簿保存法が改正され、以下の3つに関しては保存の要件が緩和されました。
・電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)
・スキャナ保存(紙で受領・作成した書類)
・電子取引(電子的に授受した取引・情報をデータで保存)
この改正によって、電子帳簿保存法に対応している経費精算システムを使うことに大きなメリットが発生したのです。

経費精算システムの概要は

経費精算システムをいくつかご紹介していきます。
経費精算システムに関する資料は無料でダウンロードが可能ですので、是非ご覧ください。

ジョブカン経費精算 サービス資料 | 株式会社Donuts

ジョブカン経費精算は、経費精算の申請・承認・管理などの経理業務をクラウド化します

【ジョブカン経費精算でできること】
■Point 1 交通費精算
▽乗換案内連携
ジョルダンの乗換案内と連携し、金額を自動算出できる他、乗換案内で検索された実績や最安値の保証を視覚的に表示できます。

▽ICカード読み取り
鉄道系ICカードの履歴情報を取り込んで、交通費明細に反映させることができます

■Point 2 仕訳データ・FBデータの作成
▽仕訳データの自動生成
申請内容から勘定科目を判定し、自動で仕訳データを生成することが可能です。
ダウンロードした仕訳データを会計ソフトに取り込むだけで、経理処理が完結します。

▽FBデータの自動生成
経費精算の申請内容を元に、全銀フォーマットのファームバンキングデータを自動で生成します。出力したデータをオンラインで取り込むだけで、振込業務も完結します。

■Point 3 経路分岐
申請時に入力された項目によって、承認経路を自動的に変更することが可能です。
申請する情報を自動的に判断して、画面が切り替わることなくリアルタイムで経路が変更されるため、申請時のミスや申請者の負担を軽減します。

MAJOR FLOW Z FORM | パナソニック ネットソリューションズ株式会社

ワークフローであなたの会社の仕事を変える!「MAJOR FLOW Z FORM」

MAJOR FLOW Z FORMは、業務にフィットした稟議承認を実現できる汎用ワークフローシステムです。
専用ツール「FormDesigner」を利用することで誰でも簡単に申請書画面が作成できます。
豊富なサンプル申請書を利用すれば短期間での導入も可能。
マスタ参照やスクリプトによる機能拡張も可能で自社の業務にあった決裁フローを実現できます。

「MAJOR FLOW Z FORM」は20年以上にわたって蓄積されたお客様の要望やノウハウが組み込まれたエンタープライズワークフロー。パッケージ版とクラウド版を用意しており、クラウド版は月額3万円(税抜)からお手軽にご利用頂けます。

製品ラインナップにはワークフローの他、経費精算と就業管理を用意。全てのサービスが同じ画面から使えるのでユーザに分かりやすく、マスタも共通のため、管理者のメンテナンスも簡単です。

勤怠・受発注管理サービス「Hachikin」 | 株式会社NVC

Hachikinは勤怠管理・経費精算・ワークフローなどをWebで行うことで煩雑だった業務を改善します。

●「Hachikin」の特徴
①無料で始めましょう
Hachikinは勤怠管理・経費精算の機能を無料で利用することができます。現在は2人までのユーザを登録して利用することができるようになっています。個人での利用や、本格利用の前にちょっと試してみたいといった方は、今すぐご利用頂けます。

②簡単で柔軟な勤怠管理
Hachikinの勤怠管理は、出勤・退勤の時刻を入力するだけのシンプルな使い方から、様々なプロジェクトに携わるような場合の複雑な実績入力までサポートします。 また、システムエンジニアリングサービスなど、客先に常駐するケースにも対応できるような仕組みを取り入れています。これにより、客先に提出するための勤務表や、自社で利用する勤務表を二重管理する必要がなくなります。作業とプロジェクトを紐付けて登録するだけで、様々な切り口での勤務表を作成することが出来るようになります。
③経費精算・交通費精算の特徴
領収書が必要となる経費精算では、添付することを考えて Hachikin 上で管理される申請番号と紐付く用紙を印刷できるようにしています。この番号と紐付けることで、経理作業を円滑に進められるようサポートします。また、経費の科目は業種によってもことなるため、企業ごとにメンテナンス可能です。交通費入力では「往復」をサポート。。

④ワークフローによる業務の改善
勤怠管理、経費・交通費精算はそれぞれのワークフローを定義することができるので、煩雑だった業務を改善します。ワークフローでは、承認・却下・再申請を簡単に行うことができ、申請や承認のタイミングでメールによる通知も行われるので、スムーズに処理を進めることが可能です。また、申請・承認・却下を行うときにはコメントを登録できます。コメントは通知メールにも表示されますので、コミュニケーションをスムーズにはかれます。

⑤PDF・CSVダウンロード
勤怠管理・経費・交通費精算で作成した各種申請書はPDFとCSVをサポートしています。PDFは印刷に適した形で申請書を表示することができます。CSVファイルをダウンロードして、エクセルなどの表計算ソフトで編集することもできます。

経費精算システムの機能とは

経費精算システムには多くの機能があるというのも特徴です。
ここでは経費精算システムに備わっている主な機能について紹介していきます。

経費作成、申請、承認機能

経費精算をする際には立て替えた従業員が申請用紙に必要事項を入力し、それを出力して経理担当者や上司などに提出するというのが一連の流れでした。
紙媒体で提出されるこうした書類は手間がかかるだけでなく、どこかでチェック待ちとなって放置されることもあります。
経費精算システムを使うことで、パソコンなどで作成した申請書をそのままデータで経理担当者などに提出できるようになります。
出力や提出の手間が省けるだけでなく、スピーディーな対応も期待できる機能となっています。
また、承認する側も、申請があると通知がされ、画面上で承認ができるので負担軽減となります。

乗換案内、ルート検索などとのデータ連携機能

近年、出張先などまでの交通機関利用についてはパソコンやスマートフォンなどを使ってルート検索することが多くなっています。
それらで行き方や乗り換え駅、運賃などを検索して申請書に記入するという方法が取られていました。
経費精算システムでは、そうした経路を検索するとそのデータで経費を計算できます。
手動で行うよりも早く、入力ミスも起こりにくいために大きなメリットとなります。
また、経路検索を行っているため、不正な経路を使っていないかといったチェックも同時にできることとなります。
これも負担軽減につながる機能と言えるでしょう。

会計ソフトや給与計算ソフトとの連携機能

経費に関して処理されたデータをそのまま会計ソフトや給与計算ソフトに流し込む機能です。
これによって経理精算についてのデータ入力を二重に行う必要もなく、再入力の際に入力ミスすることもありません。
もちろん作業効率は良くなりますし、スピード化も図れます。
このように会社で使用している会計ソフトや給与計算ソフトと連携することで大きく業務効率の改善が見込めるのです。

データ生成、データ分析機能

計算された経費を申請した従業員の利用口座に振り込むためのデータを生成する機能です。
この機能によって、振り込みデータを作成する必要がありません。
さらにそうしてデータを生成することで、一覧として経費を見ることが可能となります。
こうしたデータ分析は問題点や課題を発見するのに利用できます。
これによって経費削減、コストカットなども行いやすくなっていきます。

スマートフォンやタブレット対応機能

経費精算をスマートフォンやタブレットから行うことができるようになる機能です。
外出、外回り、出張などが多い従業員も外出先で計算することができるという利点があります。
会社に戻った時に溜まった経費の処理を一気にしようとすると経費精算が遅れるということが多くあるのですが、スマートフォンやタブレットから処理できることで迅速で手軽に経費精算を行うことが可能となります。
これは申請側、経理担当者双方にとってのメリットだと言えるでしょう。

証憑書類管理機能

経費精算システムは領収書や契約書の控え、注文書の控えなどの証憑書類の添付台紙の出力機能を備えています。
そのため、簡単に経費精算内容との照合が可能となるメリットがあります。
こうした照合は原本と照会するためとにかく時間と手間がかかりがちですが、この機能を利用することによって効率よく照合することができるようになります。

クレジットカード連携機能

経費精算システムとクレジットカード、特に交通系のICカードなどを連携することによって、利用した精算金額が自動的に入力されるようになります。
このことにより入力ミスも減りますし、入力する手間もなくなります。
立て替えが多い人であればクレジット機能があるカードと連携していれば自動的に支払いも可能となるので立て替えする必要もなくなります。

経費精算システムの導入メリットとは

経費精算システムの導入メリットは「申請者」「経理担当者」「承認者」それぞれに発生してきます。
そこでここではそれぞれの立場から導入メリットを紹介していきます。

申請者側の導入メリット

経費精算システムはパソコンやスマートフォン、タブレットなどに必要項目を入力するだけで経費申請書を作成することが可能となっています。
そのため申請書の作成が手軽にできるようになり、作成時間を削減することが可能となります。
申請書の作成自体も簡単ですが、そのままシステムを通して承認依頼を出すことができるのもメリットとなります。
担当者や承認者に紙媒体の申請書を提出しにいく手間が省け、スピーディーに申請作業をすることができるようになるのです。
こうした申請書の提出ルート、承認ルートについては細かく設定することが可能となるので、部署やチーム単位でルートを設定するのも良いでしょう。

また、経費精算システムでは利用した交通ルートに定期圏内部分が含まれる場合などでもその区間の自動削除を行うことができるので、面倒な計算をする必要がありません。
経費の入力をする際も、領収書を読み取ったり、撮影することで自動的に反映されるため手入力する必要もありません。

経理担当者側の導入メリット

申請者にとってもメリットの大きい経費精算システムですが、経理担当者にとってはさらにメリットの大きなものとなります。
まず自動計算のために計算や確認をする作業が大きく削減できるというメリットがあります。
紙媒体での申請書の場合は申請者が自分で経費を計算して提出してくるため、計算間違いや定期区間の計算ができていないという計算ミスが多く発生します。
そのため、経理担当者がすべて計算しなおして確認するという手間が必要となっていたのです。
しかし経費精算システムを利用すると発着駅や交通手段を選ぶだけで自動計算してくれるので、入力や計算をする必要がなくなります。
そうした申請書が提出されることで、記入漏れや計算確認の作業時間を大きく減らすことが可能となるのです。

また、経理担当者にとって大変な作業が「仕訳作業」です。
交通費、接待交際費などの勘定科目に分けて経理処理をしていく仕訳作業は経理担当者にとって大きな負担となります。
紙媒体での申請書の場合は、それぞれの項目を確認しながら時間と手間をかけて仕訳処理をしていくことになるためです。
しかし経費精算システムでは申請者が項目を申請時に選択することで、仕訳作業を自動処理することができます。
自動で仕訳処理が行われるため、経理担当者が仕訳をする必要がないのです。
こうした仕訳処理は利用している会計システムに合わせてできるので、会計システムにデータを流す際にもスムーズに行うことが可能となります。

そして処理された経費精算は申請者に振込を行うこととなります。
経費精算システムを導入することで経費精算が完了するとFBデータが自動的に作成され、振込業務が可能となります。
従業員に振込をする際にはこうしたFBデータを作成する必要があるのですが、これも自動作成してくれるので一つずつ作成する必要がありません。
このように経費担当者にとって大きな導入メリットが考えられるのです。

承認者側の導入メリット

経費精算システムは申請者、経理担当者の他に承認者にとってもメリットがあります。
紙媒体での申請書の場合は、一枚ずつ確認した上で承認印を押すという作業が必要でした。
しかし経費精算システムを利用することで、パソコンの画面上で承認や否認の決定や差し戻し作業もすべて可能となるので、短時間で多くの承認作業をすることができるようになります。

また、経費精算システムのスマートフォン対応機能を利用することで外出先からでも承認作業ができるようになります。
紙媒体の申請書の場合は、承認者が会社内にいてその場で確認しなければ承認作業をすることができません。
そのため承認者が不在の場合は承認作業がされずに承認待ちという状態になることが多くあります。
出張先や営業先から直帰したいのに承認作業をするために会社に戻らないといけないという承認者もいます。
しかしスマートフォンやタブレットに対応している経費精算システムを利用することで、外出先や出張先で空いた時間や移動時間などを利用して承認作業をすることが可能となります。
このことによって時間効率も良くなりますし、承認待ちという状態が続くことも解消されます。

また、紙媒体の申請書の場合は承認者が承認のし忘れなどが起こりやすくなります。
承認者が経費精算の承認をし忘れていることで経費精算業務に歩留まりが起きてしまうこともあります。
承認しなければならない申請が多すぎる場合にもその管理は雑になってしまうでしょう。
経費精算システムでは、承認しなければならない申請については通知がされるので承認のし忘れを防ぐことが可能となります。
申請されているものについては「未対応」「対応済み」「差し戻し」などどういった状態にあるのかを一覧で確認することができるので、申請の数が多くなっても安心です。

全般的なメリット

このように申請者、経理担当者、承認者それぞれにメリットが大きい経費精算システムですが、どの部分にも共通している全般的なメリットも多くあります。
ここではそれらの全般的なメリットについて紹介していきます。

まず領収書の撮影、スキャンなどによって自動入力されることからどの部分でも入力や確認の手間が大きく省けるだけでなく、入力ミスや作業ミスを大きく減らすことが可能となります。
入力ミスなどがあると会計で不一致がでやすくなり、それらを再計算して確認する必要が出てくるのですが、その手間も省けることとなります。

また、経費精算システムの利用によって経理業務全般にかかる作業時間は大きく短縮されることとなります。
申請書の作成から仕分け作業、承認まで業務の効率化が図れるようにあると言えるでしょう。

そして経費精算システムでは「不正な経理処理の防止」が可能となります。
どういった業種でも交通費の不正受給が問題となっている状況がありますが、経費精算システムを導入することで不正な経費申請のチェックや規則に違反している支出などを検出することができます。
また、経路検索ソフトと連携していますので、正規なルートではない経路などを利用することも防止することができるようになります。

経費精算システムのデメリットや注意点とは

経費精算システムを利用する際にはいくつかのデメリットや注意点もあります。
ここではそれらのデメリット、注意点について紹介していきます。

利用コストがかかる

経費精算システムを利用する際には導入費や利用料金などのランニングコストがかかってきます。
経費精算は直接売り上げに関係するものではないので、利益を生み出してくれるシステムではありません。
そのため、必要性はあるものの、それ自体が会社に利益を出してくれるものではないのです。

しかし、オンプレミス型のシステムであれば導入時に高額なコストがかかりますし、クラウド型のシステムの場合は毎月の利用料金が発生してきます。
さらにバージョンアップ、サポート、保守管理などにもコストがかかることとなります。
もちろん導入すればさまざまなメリットがあり、業務効率が改善することが期待できるので問題はコストとのバランス、コストパフォーマンスということになります。
求める機能とかかる費用のバランスを考えてシステムの導入を考えましょう。

経理担当者が成長しないことがある

経費精算システムを利用することで業務効率が改善し、経理担当者の負担は大きく削減されることとなります。
領収書の管理や仕分け作業などを自動でシステムがしてくれるために経理担当者がそれらの業務を覚えないということがあります。
手作業で勘定科目を仕訳けをしていくよりも経験を積めないことがあるのです。
システムを使って業務を効率化していくことは良いのですが、経理担当者の成長を考えた上での利用が必要となると言えるでしょう。

システムの利用方法の徹底、周知が必要である

長い間紙媒体での経費精算を行ってきた企業などがシステムを導入した場合は、まずこのシステムに慣れていくということが必要となります。
システムに慣れていない営業担当者などが利用する際には、「いつから利用するのか」「どのように利用するのか」といったことを導入前に周知した上で準備していく必要があります。
社員研修を行うこともあるでしょう。
また、経理担当者、申請者、承認者の全員が「使いやすいシステムかどうか」ということも注意が必要です。
経費精算システムには色々な種類があり、シンプルに利用できるものから複雑な機能が備わっているものまであります。
重要なのは、従業員が使いやすいかどうか、抵抗なく使えるかどうかということです。
従業員が使いやすく、しっかりと周知をしながら利用できるシステムを選んでいくことが重要だと言えるでしょう。

まったく手入力が必要ないわけではない

経費精算システムを使えば領収書などを読み取ることで手作業での入力の手間を大きく削減することが可能となるのですが、まったく手作業が必要なくなるというわけではありません。
接待交際費などを利用する際には、システムを使えば金額などを入力する必要はありませんが、「いつ」「どこで」「誰と」利用したのかといった項目については入力する必要があります。
そのため、どうせ手入力が必要となるのであれば、それほど効率化されないと考えられる場合もあるのです。
また、選んだシステムによって効率化できる項目、作業は違ってくるため選ぶ際にはどういった項目について効率化したいのかを考えて選ぶ必要があります。

既存のシステムと連携できないことがある

経費精算システムを導入する際には既存の会計システムなどと連携することが重要となるのですが、システムの中には連携することができない場合もあります。
期待通りに連携することができなければ、連携できなかった部分は手作業で入力していかなければならないので二度手間となることがあります。
せっかくシステムを導入しても既存システムと連携できなければ、データの共有もできず、情報を入力する際にもそれぞれに入力しなければならないため、業務効率の改善がなされません。
システムを導入する際には、すでに会社で利用している会計システムや給与計算ソフトなどと連携できるタイプのものかどうかを確認しておきましょう。

経費精算システムの種類や選び方とは

経費精算システムには色々な種類がありますし、会社によっても効率化させたい課題が違うので、自社に合ったシステムを導入していくことが重要となります。
そこでここではそれぞれの問題点や目的に合わせたシステムの選び方について紹介していきます。

従業員の入力作業の部分を効率化したい

経費精算で手間がかかったり、入力ミスが起こるのを防ぎたいという場合には「領収書のスキャン機能」「ICカード連携機能」が充実しているシステムを選ぶのがおすすめです。
従業員が簡単に経費を入力、登録できるようになれば経費の申請の手間が大きく削減されるだけでなく、金額の入力ミスなども防ぐことができるでしょう。

経費精算が交通費に特化している場合

経費精算が出張、営業、外回りなどによっての交通費がほとんどであるという場合には、多機能なシステムだと逆に使いにくいだけということがあります。
交通費の精算に特化して利用したいという場合には「経路計算」「乗換駅検索」「定期券対応」などの機能が優れているものを選んでいくと非常に利用しやすいものとなります。
また、「交通系ICカードと連携」しているものがありますので、そういったシステムを利用すれば直接利用した経路情報が入力されるので、申請者がすべて入力するという手間も省けます。

さまざまな場所でそのまま利用したい場合

営業担当者や承認者などが出張などで外出することが多く、会社内でパソコンによって経費精算や承認をするのではなく、外出先でスマートフォンやタブレットを使ってシステムを利用することが多いという場合には「スマートフォン対応機能」が充実したシステムを選ぶのがおすすめです。
外回りなどで外出が多いために経費申請が遅れたり、承認作業が遅れるということがあると経費精算の業務が止まってしまうためです。
また、海外出張や海外拠点などが多いという企業や外国人の従業員が多いという場合には「多言語対応機能」「為替の自動変換機能」が充実しているシステムがおすすめです。

経理や総務作業の効率化を考える場合

経理担当者が仕分け作業をしたり、振込業務をしたりする部分を効率化させたいという場合には会計ソフトや給与計算ソフトとの連携機能が充実しているものを選ぶのがおすすめです。
中には会計ソフトサービスを提供している企業が出している経費精算システムもあるので、そういったものを使えばより効果的でしょう。

対応したい項目が増えていくと機能が複雑化していく

とにかくどの機能もほしい、多くの利用者の業務の効率化をしたいという場合にはそれだけ多機能なシステムを利用していく必要があります。
多機能なものはうまく使うと非常に有効的なものとなりますが、それだけ「使いにくい」「コストが高くなる」という特徴もあります。
不要な機能が増えるとそれだけ使いにくくなってコストも高くなってしまうので、最初はシンプルな機能なものにして慣れてくると使える機能を増やしていくという方法もあります。

経費精算システムを導入する際の流れ

では実際に経費精算システムを導入する際の流れについて紹介していきます。
導入するシステムによって多少の違いはありますが、基本的なものとしては同様のものとなります。

まずは会社の問題点や課題を精査する

経費精算システムの導入がうまくいかない企業としてよくあるのが、「とりあえず導入した」ということがあります。
経費精算システムは導入すれば良いというものではなく、自社に合ったシステムを選ぶ必要があります。
まずは自社の経費精算業務、経理業務などについてどういった問題点や課題があるのかを洗い出していきます。
それらの問題点によって必要な機能が違ってくるためです。
現在の経費精算業務のどういった点が問題なのか、どの作業に大きく時間や手間がかかっているのかを精査していきましょう。

自社の課題を解決できるシステムを探す

課題がはっきりすると、その課題を解決することができるシステムを探していきます。
経費精算システムに備わっている機能を比較しながら必要なものを選んでいきます。
「経費申請機能」「経費承認機能」「経路検索機能」「会計ソフト連携機能」「クレジットカード連携機能」などそれぞれの機能を比較しながらシステムを探していきます。

実際に試してみる

経費精算システムを探したら実際に利用してみます。
ただ、経費精算システムを本格的に導入する際には導入費用や利用料金など高額な費用がかかってくるため、いきなり本格的に導入することはあまりおすすめできません。
多くのシステムには「無料版」「トライアル版」「体験版」が用意されています。
まずはそれらを利用して実際に試してみるというのがおすすめです。
実際に従業員がシステムを利用してみることで使いやすいかどうか、使えるものかどうかを試していくのです。
これは営業担当者や経理担当者、承認者など関係するすべての従業員に言えることとなっています。
実際にシステムを試した上で、導入するシステムを選んでいくと効率的にシステムを選ぶことができるでしょう。
この際、システムの運営会社のサポートやフォローがどれだけ受けられるのかも合わせて確認しておくと良いでしょう。

導入前に説明会、社員研修などで周知をする

システムの導入が決まっても導入前にすることがあります。
導入前に従業員に対して説明会や社員研修の実施、マニュアルの作成などを行って周知をしていきます。
従業員の中にはこういったシステムに慣れていない、パソコンやスマートフォンに慣れていないということもあります。
導入したシステムをスムーズに利用できるように研修をしていくと導入後にスムーズに利用していくことが可能です。
また、マニュアルを配布しておくことでより効率的に周知をすることができるでしょう。

システムを導入して運用していく

無料体験版などを試してみて、従業員に研修などでシステムの周知を行ったら、いよいよ本格的にシステムを導入して運用していきます。
経費精算システムは導入して終わりというわけではなく、導入後にも不明な点やトラブルが起こることがあります。
そういった場合は運営会社にサポートをしてもらいながら会社での運用を定着させていきましょう。

補助金が利用できる場合がある

経費精算システムを導入する際には「IT導入補助金」が受けられる可能性があります。
これはすべての企業に当てはまるわけではなく、
・資本金や社員数が一定数以下の中小企業であること
・医療法人や財団法人などの場合
・小規模事業者
などの対象の場合であれば、システムの購入費用や最大1年分のクラウド利用料金など導入にかかる費用について補助金が給付されるというものです。
対象として認められると、450万円を上限として導入にかかった費用の半分までが補助金として支給されることとなります。

経費精算システムまとめ

経費精算システムを導入することによって営業担当者や経理担当者、承認者などさまざまな人にメリットがあります。
経費精算に関係する業務の多くが効率化され、時間や手間が大きく削減されるだけでなく入力ミスなども減らすことにつながります。
多くのシステムでは無料体験版、トライアル版などが用意されていますのでまずはそれらを試していき、自社に合ったシステムを選んでいくのが良いでしょう。