より良い商品を開発、作成していくいためには実際にその商品を利用することになるユーザーが利用した上での感想、意見などのフィードバックは欠かすことができません。
そこで注目を集めているのが「リモートユーザーテスト」です。
ここではリモートユーザーテストについて、利用するメリットなどについて紹介していきたいと思います。

ユーザーテストの強み

ユーザーテストを行うことには色々な強みがあるのですが、特にリモートユーザーテストにはそれが顕著です。

リモートユーザーテストとは

実際にその商品を利用するユーザーの意見や要求に応じて商品を開発したり改良していくというのはビジネスにおいて非常に重要なこととなっています。
そこで最近注目を集めているのがリモートユーザーテストです。

これはユーザーが自宅でパソコンサイト、スマホなどを実際に使ってみて、その利用している部分を録画や録音をして行います。
実際に商品を利用している際に思ったこと、感じたことをそのまま口に出すことでユーザー心理を把握するのに役立ちます。
音声がある動画などで録音、録画するのには理由があります。

ユーザーの意見を聞き取るものとしてアンケートなどがありますが、これは自分が感じたことを文章化しないといけないために的確に表現できないという弱点があったり、利用途中に書くわけではないので書く時には忘れてしまっているということがありました。
しかし利用している最中を録画しておくことで、まさにその時に感じたことを表現できるだけでなく、感じたことを忘れることなくそのまま記録に残すことができるようになるのです。

リモートで行うことの強味とは

これまでのユーザーテストは企業の一室などにパソコンなどの備品を整備して、そこに多くの人を集めて行うことが多かったため、時間、手間がかかるだけでなく、高い費用がかかっていました。
しかしそれらの作業をリモートを使って行うことで、ユーザーは自宅にて自分のパソコンやスマホで参加することができるため、一か所に集まる必要がありません。
そのため、時間や手間を大きく短縮することができるだけでなく、費用を削減することにも成功したのです。

同じ場所に多くの人を集めて行うテストではないため、グループで行われるテストのように「他の人の意見に引っ張られて自分の本当に言いたいことが言えない」ということがありません。
また、誰かの意見に押されて自分の意見を言う時間がないということもありません。
個人それぞれは意見や感想が違ってくるため、それぞれのテストを録音・録画できるというリモートユーザーテストはその部分が強みとなっているのです。

ユーザーテストを実施する理由

どういった業界でもそうですが、最終的に完成する商品を利用するのはユーザーということになります。
それに対して構想、開発、開発途中のテストなどを行うのは企業ということとなります。
そのため、完成した商品がユーザーにうまく受け入れられない、思った通りの反応が出ないということがあるのです。
そうならないためにこれまでの企業はユーザーテストを行ってきました。
方式としては以下のような分け方があります。

管理型と非管理型

管理型のユーザーテストでは、テストの進行、ユーザーへの指示や質問、フィードバックの適宜回収などを指揮する監督者がおり、テスト全体を管理して進めていきます。
この方式は時間や手間がかかり、費用も多くかかりますが、細かいデータをとることが可能なテストとなっています。

それに対して非管理型のユーザーテストではこういった監督者がいません。
テストを受けるユーザーは一人で行い、ある程度自由にテストを行っていきます。
ユーザーの本音が聞けるというメリットはあるものの、複雑な工程などが絡む部分では避けてしまうことが多く、適切に意見を集めることができないというデメリットがあります。

対人型とリモート型

以前に多く行われてきた対人型と、近年増加しているリモート型です。
対人型は企業の一室などにテスト被験者を集めて、そこで監督者の指示によってテストが行われていきます。
データを集めるポイントが多くなるだけでなく、反応を目の前でリアルタイムに見ることができるというメリットがありますが、人数を集めれば集めるだけ場所と費用が必要になっていき、管理が大変になっていきます。
とにかく大勢のデータがほしいという時には使いにくい方法だと言えます。

それに対してリモート型ではほとんどがインターネットを利用して行われます。
一か所に集める必要がないため、時間や手間を削減することができます。
また、大量のテストを行いやすいので、できるだけ多くデータがほしい、さまざまな角度からの意見がほしいという時に適している方法だと言えます。

ユーザーテストのメリット

リモートユーザーテストには多くのメリットがあります。
ここではそれらのメリットについて順に紹介していきます。

さまざまな土地で行うことができる

一か所に人を集めて行うタイプのユーザーテストでは、集まってくる人は近い地域の人が多く、多様性を知りたい時には不便です。
しかしリモートユーザーテストであれば、さまざまな土地の人がその土地から参加することができるので、色々な場所の人の意見を聞くことができるというメリットがあるのです。
これは日本に限らず、条件を満たしていれば海外でも同様のことが言えます。

多くの人を安い費用でテストしてもらうことができる

リモートユーザーテストは対人型のテストよりも安価で行うことが可能です。
そのため、それだけ多くの人をテストに参加してもらうことができます。
多くの被験者からの意見を集めることができるので、得られる意見や感想などは幅の広いものとなり、一般性も強いものとなっていきます。

管理型のリモートユーザーテストではより多くのデータ集めが可能

多くの人を使うことができるリモートユーザーテストですが、管理型で行うことでより多くの意見を的確に集めることが可能となります。
リアルタイムで管理をしながらテスト被験者に質問や指示をすることができますし、訂正などもしやすくなります。
また、テストを受けているのはそれぞれの自宅ということもあって、自由な意見を出しやすい環境下でテストを行うことができるというメリットもあります。

ユーザーテストのデメリット

メリットの多いリモートユーザーテストですが、その方法特有のデメリットや注意点もあります。

対人型よりも被験者の緊張感や責任感が低い

一か所に集められて行われる対人型のユーザーテストより、自宅で受けることのできるリモートユーザーテストではそれだけ被験者の緊張感や責任感が低くなりがちです。
テストの途中で辞めてしまったり、与えられた指示通りにテストを行わないということもあります。
また、テスト自体を欠席したり、遅刻するということも多くなる傾向があります。

手広く集められるだけに参加者の質もバラバラになりがち

企業などに一か所に集めて行われる対人型のユーザーテストではそれなりにその企業や商品に思い入れがある人が集まりやすく、それだけに重要な意見も出やすいのですが、リモートユーザーテストは広い範囲から気軽に集めることができるために、単純にテストの報酬目当てという人も簡単なバイト感覚で参加することもあります。
そういった人は真剣に意見を言ってテストが長くなるよりも、適当に意見を言って早く終わった方が時間効率が良いと考えることもあるのです。
人を集めやすいだけに集まる人の質もバラバラになりやすいという欠点があるのです。

より的確な指示が必要となる

一か所に集まっていない被験者だけに、的確に指示を出していかないと思うようにテストを進めることができないというデメリットがあります。
多くの被験者をスムーズにテストに向かってもらうために適切な指示が求められています。

ユーザーテストをするべきサービスとは

ユーザーテストを行い、商品の開発や改善、改良を繰り返していくことで顧客満足度は大きく上昇するという結果が出ています。
このことは、モノを売る、サービスを売るなどどのような業態においても言えることです。
顧客が満足して利用し、その商品やサービスに魅力を感じるものでなければ長期的な利益を出すことは難しくなります。
従来からある商品に限らず、スマホのゲームアプリなどのサービスについても同様だと言えます。

ユーザー心理を把握することができることで、企業側ではなくユーザー目線から商品を見ることができ、商品やサービスのどの部分を改善すれば良いのかが発見しやすくなります。
サービスの課題が発見できれば、そのユーザーからの意見に基づいた根拠で改善していくことが可能となるので、効果が早く出やすいだけでなく、的確に出しやすくなるというメリットもあります。

一般的な商品も長期的に考えればユーザーの意見を取り入れて改善されていくものですが、こうしたユーザーテストを行うことで集めた意見を取り入れて改善していくことで、より早く結果として出すことが可能となっていくのです。、
そういった意味では、入れ替わりが激しいスマホでのサービスなどではより必要なツールだと言えるかもしれません。

リモートユーザーテストまとめ

ユーザーテストはどういった業界、商品、サービスにおいても効果的なツールだと言えます。
実際にその商品を使うことになるユーザーに使ってもらって意見、感想、改善点を上げてもらうことで課題を明確にすることができるのです。
特にリモートユーザーテストでは、安価で多くの意見を集めやすく、しかも効果的な結果が出やすいので、商品開発を行う際には積極的に導入していくと良いでしょう。