企業の中で従業員によって培われた知識や経験は、その社員のものだけでなく企業の知識や経験として蓄積させていくことが求められています。
ただ、従業員が経験してきた勘やノウハウなどは、なかなか言葉や文章として伝えることは難しく、部下や他の社員に体系的に共有することができない企業は少なくありません。
このような従業員だけが持つ財産を、文章や図表・数式などを用いて説明できる形に変換し、企業内で共有する概念のことはナレッジマネジメントと呼ばれ、多くの企業で非常に重要になってきています。
さらに昨今では、働き方改革や新型コロナウイルスの影響もあり、テレワーク(リモートワーク)が普及し、実際に業務のコツやビジネスを成功に導く勘やノウハウなどを、手取り足取り教えることが出来にくくなってきています。
このような中でも企業として、自社のナレッジを集約し、誰もがいつでも参照できる環境を構築していくことが必要です。
ナレッジマネジメントは、従来であればExcelなどを活用して運用するケースが多くありましたが、現在では専用のナレッジマネジメントツールを導入する企業も増加傾向にあります。
とはいえ、ナレッジマネジメントツールもナレッジの蓄積や共有に特化したものから、FAQが作成できるもの、情報検索に特化したものやブログや社内Wikiなどが作れるものまで様々な種類があり、どういったツールを導入すればいいのか悩まれることも多くあります。
実際、「ナレッジマネジメントをするにはどういったツールが効果的なの?」「ナレッジマネジメントを行うにはどこから着手すればいいのか分からない」「そもそもナレッジマネジメントとは?」といった担当者も少なくありません。
そこで今回は、ナレッジマネジメントの概要から、ツールの特徴やメリットなどについてポイントを中心に紹介していきます。
【業界最安クラス】FAQ・ナレッジマネジメントシステム「ナレッジリング」 | 株式会社CBIT
ナレッジリングは、企業・部署・プロジェクトなどグループ内に蓄積された情報資産(ナレッジ)を一元管理し有効活用できるクラウドサービスです。
■このような方におすすめ
・お客様からのお問い合わせにすぐ答えられず、お客様の満足度が上がらない
・社内ヘルプデスクに同じような問い合わせが多く、担当者の負担になっている
・優れた社員のノウハウが組織レベルで共有されておらず、業務に活かされていない
・ファイルが社内のあちこちに保管されているため、必要なファイルをすぐに見つけらない
■主な機能
・記事の編集・閲覧
ナレッジリングの基本機能です。
編集フォーマットの自由度が高く、活用シーンに合わせて最適な記事を作成することが可能です。
(*)ナレッジリングに登録する情報を「記事」と呼びます。
記事には、テキスト情報の他にも画像やファイルなどを添付できます。
・コミュニティ
ナレッジリングのユーザー同士が質問・回答をし合える機能です。
・お知らせ
重要度の高い情報をユーザーへ通知したい場合などに効果的です。
記事毎に未読/既読が表示されるため、閲覧漏れを防ぐことができます。
管理者が、ユーザー毎に未既読状況を確認することもできます。
・キーワード分析(管理機能)
ユーザーがどんなキーワードで検索しているのか、記事の一致件数などがわかります。
分析結果を元に記事をメンテナンスすれば、検索ヒット率の向上が期待できます。
■利用プラン
※以下すべて税別
・SaaSプラン
初期費用 :98,000円
月額利用料 :9,800円(基本料金)+120円(アカウント料金)×ユーザー数
【おすすめユーザー】数十人規模の組織で利用したい方・スモールスタートしたい方
・ASPプラン
初期費用 :150,000円~(要見積)
月額利用料 :50,000円~(要見積)
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※他にもプランを用意しております。詳細はお問い合わせください。
tatoe | 株式会社マクニカ
ナレッジあいまい検索システム「tatoe」とは?
「tatoe(たとえ)」はAIを活用した高精度な「ナレッジあいまい検索システム」を提供するSaaS型エンタープライズサーチ(企業内サーチ)サービスです。
「tatoe」は自然言語処理AIを活用した「ナレッジあいまい検索」という独自のアプローチで、コールセンターやコンタクトセンターにおけるナレッジマネジメントを支援します。中でも、コールセンター/コンタクトセンターで定常的に行われる「過去事例探し」のオペレーションを高速化・効率化します。
■「tatoe」7つの特徴
少ない準備工数ですぐに使いはじめられるエンタープライズサーチ(企業内検索)
・未整備のドキュメントも検索可能
構造化されたFAQなどのナレッジはもちろん、メールやCRMに残された履歴も検索可能
・問合せ文章そのままを使って検索可能
オペレータの経験値に関わらず、的確な答えにたどり着ける
・高精度AIが問い合わせ文面と過去履歴の意味を理解し、類似ランキング形式で提示
オペレータは表示された結果を上から順に確認するだけでOK
・モデル作成データは少量でも可能
ご利用部門特有のモデル作成のためのデータ(最小で100件)の投入をするだけで利用開始可能
・データの準備も最小限
過去ナレッジのcsv化はヘッダー名の変換のみ
データのタグ付けなどの複雑なデータ加工は不要
・業界特有や会社特有の単語も辞書登録不要
Typoなどの記入ミスや表記ゆれも優れたモデルが吸収して意味を理解
豊富な辞書データと優れたモデルが文脈を読み取って単語の意味を推測
・データサイエンティスト不要
優れた自然言語解析モデルに加え、データ加工などの準備を弊社が支援
CLOBER(クローバー) | SBI-LGシステムズ株式会社
CLOVERはグループウェアクラウドサービスです。
・日本企業の声を反映したソリューション
ワークフロー、伝言メモ、安否確認、タイムカードなど、使いやすい多様な機能を標準装備
・安定したクラウドサービス
ハードウェアの導入や開発費、追加保守なしにサービス利用が可能
・わかりやすく、直感的なUI
業務ステータスや個別クイックリンクを見やすく表示
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・充実したナレッジマネジメント機能
自分の知識・ノウハウを全社で共有
社内標準業務の体系的な管理
すばやく簡単な知識検索
企業価値を高める?ナレッジマネジメントとは?
そもそもナレッジマネジメントとは、従業員個人がビジネスを行う上で蓄積した経験や知識、ノウハウ、勘やコツなどを、文章や図表、写真、イラストなどを用いて組織内で共有し、業務効率化を図るとともにコミュニケーションを円滑に行うことを指します。専門的には「暗黙知」を「形式知」に変えることをナレッジマネジメントと呼びますが、この概念については後ほど紹介していきます。
ナレッジマネジメントの意味とは?
ナレッジマネジメントのナレッジとは、英語で表記すると「knowledge」となり、直訳すると「知識」や「情報」などを意味します。ビジネスシーンにおいて、顧客の情報は属性だけでなく過去の購買履歴や問い合わせ内容など様々な情報が存在します。これらの情報を正しく共有・運用できなければ、部署内だけでなく他の部署が絡むような場合にはスムーズに展開できず、問題が生じる可能性もあります。このような場合に、ナレッジマネジメントを行うことで、各部署で蓄積された情報を一元管理し、正しく管理・共有していくことが可能になります。
ナレッジマネジメントが注目されてきた背景
昨今のビジネスシーンにおいて、社会のグローバル化やIT化の動きが顕著になったことも、プロダクトライフサイクルはどんどん短期化してきています。これに伴い、従来よりも早いスピードでビジネス展開することが求められ、企業内のナレッジマネジメントにおいてもより効率化された新しいナレッジマネジメントが注目されてきています。
ナレッジマネジメントを取り入れる目的
従来の日本では、仕事は先輩の背中を見て学ぶ、技術は目で見て盗むといった考え方が浸透しており、知識や技術、ノウハウを体系的に伝える動きは少ない傾向にありました。ただ、このような流れでは、知識やノウハウは社員個人に依存してしまい、仮にその従業員が退職した場合には企業に何も残りません。一方で、知識や技術、ノウハウを企業全体で可視化し、共有することが出来れば、業務効率化につながり、結果的に生産性の向上や企業としての力を高めることも可能になります。ナレッジマネジメントは、企業力を高める上でも非常に重要な役割となります。
暗黙知?形式知?ナレッジマネジメントの特徴
このようなナレッジマネジメントの基本的な考え方は、大きくは「暗黙知」と「形式知」の2つに分かれます。
・暗黙知とは?
暗黙知とは、従業員など人に蓄積した知識や経験、ノウハウ、勘やコツなど明文化されていない、もしくは明文化されにくいものを指します。主観や感覚的な要素を含み、捉え方が人によって異なるため、企業内で共有することが非常に難しい概念になります。
・形式知とは?
一方で、形式知とは知識や経験、ノウハウなどを文章や図表、写真、イラストなどを用いて説明することを指します。指示書やマニュアルなどがこの形式知に該当し、客観的かつ端的にまとめたものであれば、扱う人にとって分かりやすく、知識や経験などを共有することも可能です。
長年働いていた従業員の経験による勘やコツなどは、一般的に暗黙知に分類され、これを伝達・共有することは同じように経験しなければ難しいとされていました。ただ、ナレッジマネジメントツールを導入し、暗黙知の概念を形式知化することができれば、企業内で誰でも共有できるようになります。
>ナレッジマネジメント導入時メリット
続いて、ナレッジマネジメントを導入するメリットについても紹介していきます。
①企業内における業務やタスクの属人化の防止
様々なビジネスシーンにおいて、業務やタスクが特定の従業員でないと対応できないような状況は健全な企業の環境とはいえません。担当者でしか分からないことが存在すると、企業にとってはリスクでしかなく、属人化を防止するためにもナレッジマネジメントを活用し業務やタスクを可視化することが重要です。テレワーク(リモートワーク)が浸透する現在においては、特に属人化が起こりやすい傾向にあります。都度、報告書やマニュアル化を行うなど対策を講じておくと効果的です。
②業務効率化による生産性の向上
ナレッジマネジメントの導入は、業務効率化にもつながります。経験や知識、ノウハウを持った従業員の業務フローや顧客対応を可視化し、企業内で共有することで、「誰かに聞かないと分からない」ということが無くなり、結果的に業務の効率化が図られ、生産性の向上にもつながります。
③社員全体のスキルアップ
属人化していた業務やタスクを、マニュアル化するなどして共有することで、誰でも同じような経験や知識、ノウハウを身につけることが出来るようになります。「社員のスキル・レベルの差が大きい」「能力にばらつきがある」といった悩みを抱える企業は少なくありません。これは、属人化してしまっていることが大きな要因です。ナレッジマネジメントを導入し、属人化した知識やノウハウを可視化・共有化することで、社員全員のスキルアップにもつなげることが出来ます。
ナレッジマネジメントの導入時デメリット・注意点
一方で、ナレッジマネジメントを導入する際にはメリットだけでなくデメリットも存在します。効率的なナレッジマネジメントを進めていくためにも、注意点として捉えておくといいでしょう。
①導入には工数とコストが必要
ナレッジマネジメントは、ExcelやGoogleの提供するスプレッドシートなどを活用して運用することも可能ですが、より詳細に運用していくためには有料のナレッジマネジメントツールを導入する方が効果的です。価格は提供している各社製品によって異なりますが、コストが発生する点は留意しておく必要があります。また、属人化した業務やタスクの共有マネジメントは一朝一夕で出来るものではありません。長期的な視点で見る必要もあるため、事前にコストともに確認しておくことが重要です。
②プロジェクトとして管理運用していく必要がある
ナレッジマネジメントツールを導入したからといって、属人化した情報が可視化される訳ではありません。何が問題で、誰の情報を可視化し、それをどのように共有していき、どういった業務効率化につなげていくのかなど、それぞれの項目で確認すべき内容も多くありますので、企業として取り組むためにはプロジェクト化すると効果的です。企業内の状況を理解し、社内調整が円滑に行え、且つナレッジマネジメントツールツールも使いこなせるような担当者をアサインできればいいですが、このような人材を調整することは意外と大変です。
③情報共有を嫌がるケースもある
従業員の経験や知識、ノウハウなどは、その従業員独自のものでもあります。そのため、必ずしも全ての担当者が、自身の知識やノウハウを開示することに協力的というわけでもありません。立場やプライドなどによって情報共有を嫌がるケースも存在します。このようなケースをふまえ、事前に社員との調整を行っておく必要があることも注意しておく必要があります。
ナレッジマネジメントツールの効果的な選び方
続いて、ナレッジマネジメントツールを導入する際に、考慮しておくべきポイントについても紹介していきます。メリット・デメリットでもふれたように、現在多くのナレッジマネジメントツールが登場しています。自社にマッチしたツールを選ぶ上で、以下のポイントを押さえておくと効果的です。
①社員全員が活用できるか?
ナレッジマネジメントツールは、共有化したい知識やノウハウを持つ担当者と、その情報をもとに自身に落とし込む担当者が不備なく活用できるものでなければ効果にはつながりません。ナレッジマネジメントツールの使い方で戸惑うようでは本末転倒です。無料トライアルやお試し期間があるようであれば、積極的に活用し、一度担当者に試してもらうのも効果的です。
②セキュリティ対策が整っているか?
ナレッジマネジメントツールで取り扱う情報は、文字通り自社内の財産となる貴重な情報が多く含まれます。そのため、万が一情報漏洩などが起こった場合には、会社の存続にも関わりますので、十分注意する必要があります。データセンターへの信頼度やサーバーの監視体制など、セキュリティ対策が整ったツールを選択するといいでしょう。
ナレッジマネジメントどんな機能があるの?
最後に、ナレッジマネジメントツールに搭載されている主な機能についても紹介していきます。
・ヘルプデスク(FAQ)
→社内で発生した質問に対して社員同士で回答し合える機能のことを指します。意見が活性化することで、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。
・ファイル管理及び共有
→プロジェクトなどで活用するドキュメントファイルや提案資料などを社員同士で共有できる機能のことを指します。
・マイニング、検索
→膨大なデータの中から目的のファイルや情報を見つけ出しやすくする機能のことを指します。
・情報共有のためのグループウェア
→コミュニケーションツールでもあるグループウェアですが、ナレッジマネジメントを目的に、掲示板やメッセージ、ファイル共有などを活用して行うことも可能です。
ナレッジマネジメントのまとめ
いかがでしたでしょうか。
自社内の知識やノウハウを可視化し、スキルの偏りを防ぐ上で、ナレッジマネジメントツールの導入は欠かせません。とはいえ、闇雲に導入したとしても、活用しきれずに終わってしまうことも少なくありません。まずは自社内の状況を整理し、可視化することで抽出できたナレッジをどう活用したいのかをふまえ、効果的な運用につなげていきましょう。