ワークフローとは一般的には申請、作業、承認などもすべて含めた流れそのもの、もしくはその流れを図式化したものを意味しています。
業種を問わず、組織内で行われる多くの業務では一般的に「誰が何をどのような経緯で起案し、承認確認許可を行い、最終的に意思決定する」という一連の流れが存在します。
たとえば、社内でよくある社内稟議はまさにワークフローであり、「申請(起案)・承認(確認)・決裁(意思決定)」という流れに沿って行われています。
そこでここでは、そういったワークフローをさらに効率よく進めるために活用される「ワークフローシステム」について紹介していきたいと思います。
ワークフローシステムの主な機能や導入するメリット、システムの選び方のポイントなどについて徹底解説を行っていきます。
ワークフローシステムとは
ワークフローは業務の一連の流れを指しているため、この流れを見直すだけでも業務の効率化が期待できます。
しかし、課題や問題点が見つかっても、それをどのように改善すればよいのか分からないということもあります。
こうした流れを機械化して管理しやすくする、可視化できるようにするというシステムがワークフローシステムです。
ワークフローシステムおすすめ一覧
ワークフロー・ワークフローシステムとは何かをご紹介していきましたが、ここからはおすすめのワークフローシステムを紹介していきます。興味のあるワークフローシステムの資料があればダウンロードしてみてください。
申請・承認業務もバクラクに。次世代ワークフローシステム「バクラク申請」 | LayerX
バクラク申請は「稟議システム」と「会計システム」のデータの分断による非効率を解決する次世代のクラウド型稟議システムです。バクラク請求書と合わせて活用し、一気通貫の業務を実現いたします。
slackをはじめ、チャットアプリで稟議の申請、承認が可能
クラウドワークフロー「X-point Cloud(エクスポイントクラウド)」 | 株式会社エイトレッド
X-pointワークフローが仕事を変える。
「まるで紙に書くような」直感的な入力フォームで「書類管理の新しいスタイル」を提案する簡単なワークフローです。X-pointであなたの業務を進化させてください。
●クラウド版の特長
パッケージ版と同じ機能を、安心のクラウド環境でご利用できます。
シェアNo.1ワークフロー「X-point(エクスポイント)」と同じ機能をクラウド環境でそのまま利用することができます。サーバーいらずで導入もスムーズ。蓄積されたノウハウが詰まった高機能なワークフローシステムをぜひクラウドでお試しください。
<簡単で高機能、他にないワークフロー X-point の特長>
多くの企業様に導入いただいているX-pointでは、お客様の声や利用シーンを反映しながらブラッシュアップを重ねてきました。
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いままで使い慣れた書類のまま、ワークフローをご利用になれます。
現場の業務を変えなくても仕事が進化します。
フォームの作成もノンプログラミングで可能。自社様式の申請書をそのままWebで表現できます。
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ワークフロー上で書類を確認後は承認ボタンを押すだけ。
次々に承認することが可能です。承認状況も見える化するため自然と承認速度が上がります。
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膨大な書類から1つの申請書を探すのは手間も時間もかかります。
X-pointでは書類を選択しての絞込検索、件名でのフォームをまたいだ検索、日時を指定した範囲検索など様々な検索が可能です。
よく使う検索条件は保存して再利用することも可能なので書類を見つける時間が短縮できます。
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入力されたデータを様々な条件・角度で集計することができます。
一覧クエリ、サマリ集計、クロス集計だけでなく、集計データをグラフ表示することができるため、視覚的にデータを把握することができます。
データを二次利用して仕事をさらに効率化することができます。
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シングルサインオン(SSO)の実現やガジェット、ポートレット提供を行うことで、今までご利用のグループウェアの一機能のようにご利用いただけます。
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外出先・出張先でもX-pointを確認し、申請・承認することができます。
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導入実績も1500社を超え、さまざまな業種・業態のお客様に幅広くご利用いただいています。
たくさんのユーザが利用しているワークフローをぜひあなたのオフィスにも。
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5年連続ワークフローシェアNo.1の実績は信頼の証です。
オンプレミスでもクラウドでも、多くのお客様に採用していただいてます。
管理部門が楽になる・現場が使いやすい「ワークフローシステムAppRemo」 | 株式会社システムエグゼ
AppRemo(アップリモ)は「管理部門が楽になる・現場が使いやすい」をコンセプトに、これからの申請・承認業務を支援するワークフローシステムです。
●AppRemoの特長●
【いつでも、どこでも 簡単に使える】
PCはもちろん、スマートフォン・タブレットから、オフィス同様に自宅や外出先でも申請・承認業務が行えます。
マニュアルいらずで直観的に使える操作画面で、誰でも迷わず利用でき、業務を問わず企業・組織内の様々な申請・承認業務のスピードアップ・効率化を実現します。
【これからの働き方に対応できる】
テレワークや在宅勤務のような、これからの多様な働き方の実現に向けて、業務のペーパーレス化、内部統制やコンプライアンスを強化していく必要があります。AppRemoは、申請書や関連する決裁情報はすべてデータで保存されるので、書類の紙保管や紛失リスクは無くなります。決裁の証跡を確実に残すことで内部統制対応や、部外者への情報漏洩や改ざん防止の観点でも安心です。
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申請フォームはExcelで作成します。申請フォームがWebフォームの場合、システム固有の操作に慣れるのに時間がかかり、システム部門や管理部門の特定の担当者に、作業が属人化してしまいがちです。
申請フォームがExcelであれば、誰でも簡単に作成でき、新たなシステムの操作を覚える必要がありません。
これまで作成したExcelの申請フォームを流用すれば、システム導入時の負荷やコストも軽減でき、迅速なシステム化を図ることができます。
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申請内容に関する質問や不明点があっても、申請の差戻しは不要!
承認画面に搭載されているチャット機能で、申請者へチャチャっと確認できるので決裁業務がスピーディーに行えます。
●AppRemoが選ばれる理由●
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MAJOR FLOW Z FORM | パナソニック ネットソリューションズ株式会社
ワークフローであなたの会社の仕事を変える!「MAJOR FLOW Z FORM」
MAJOR FLOW Z FORMは、業務にフィットした稟議承認を実現できる汎用ワークフローシステムです。
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ワークフローシステムの主な機能とは
ワークフローシステムには多くの機能が備わっています。
こうした機能をうまく使っていくことでシステムをより効率的に利用していくことができます。
申請フォームの作成から起票、提出機能
それぞれの申請書をテンプレートを利用して作成するという機能があります。
それぞれの項目ごとに入力形式の設定ができるようになっており、申請時のミスやトラブルを防ぐという効果があります。
また、それぞれの利用者がファイルを添付したり、コメントを付け加えるということも可能です。
すでに作成されているWordやExcelのファイルを読み込んでデータを転用するということもできます。
すべてのツールでできるわけではありませんが、起票や提出を本人以外のユーザーが代理で行うことができる場合もあります。
申請書、帳票作成機能
企業で使われることが多い人事、勤怠、旅費などの経費に関する申請書がフォーマットとして備わっています。
こうしたフォーマットの必要事項を記入するだけで申請書が作成できるようになっています。
また、過去に作成した申請書から申請者、作成日時、タイトルなどを指定して検索できる機能もあります。
この機能を利用すれば似たような申請内容の申請書を作成するのがさらに時間短縮できることとなります。
承認ルート設定機能
申請から承認までどのような流れで処理されていくかを設定する機能です。
同じ承認についても、複数の決裁者が必要であったりする場合もあるので、こういったルート設定がしっかりとできていることは重要となります。
また、企業内で人事異動があった場合などにも追加、変更、削除を行えるようになっています。
さらに申請された内容や組織の人事配置などに従って自動で承認ルートを分岐させるという機能もあります。
申請フォーマットの指定した項目に入力した際に、設定された経路に分岐させるようになっています。
そのため、自動で設定したルートに申請書類を回していくことができるので、どこに提出しなければならないかを迷うということがありません。
承認機能
それぞれの申請に対しての承認手続きをシンプルに行うことができる機能です。
簡略化される対応としては「承認」「差し戻し」「保留」「破棄」などがあります。
中には承認に対する条件を設定しておくことで、自動で承認や差し戻しなどが選択される機能もあります。
レスポンスを行う際にコメントをつけたり、その申請に関しては承認先を変更するといったことも可能となっています。
申請書を複数の担当者で閲覧することができる「情報共有化」もこの承認機能に分類されることとなります。
通知機能
申請や承認を行う際に、提出期限、承認期限、申請結果などの情報を申請者、承認者の両方に対して通知を行うという機能です。
メールやシステム上でのポップアップ表示やアラーム通知などによって通知することができるのですが、最近ではパソコン、スマホ、タブレットなどに通知を送ることができる機能も増えてきています。
管理、連携機能
ワークフローをどのように管理していくかというのは非常に重要な要素となります。
承認ルートの設定や制御、内部統制などについてのセキュリティ対策、データの移動も含めての管理などがこれにあたります。
また、ワークフローシステム単独ではなく、自社で他に利用しているシステムツールがある場合はそういったシステムと連携できるかどうかということがポイントとなります。
他のシステムと連携できない場合はうまく性能を引き出すことができませんので、それらも合わせて管理していくことが重要です。
ワークフローシステムの導入メリットとは
ワークフローシステムを導入するには大きなメリットがあります。
ここではどういったメリットがあるのかを順に紹介していきます。
内部統制を強化することができる
申請や承認作業について設定したルート、ルールに従って業務を実施していくことが可能となるため、適切な処理、適正な対応がしやすくなることで内部統制を強化することが可能となります。
「内部統制」とは企業、会社が適正で健全に事業運営をしていくことができるように従業員が守るべき企業ルールなどのことを意味しています。
申請書については、誰が、いつ、どのように、どういった件について申請し、それがどのような流れで承認をされていったのかということを透明化する必要があります。
ワークフローシステムを使うことで、企業ルールに従って定められた承認ルートを通って申請は承認されていくため、適正にワークフローが進むこととなります。
そしてワークフロー以外のルートを通って申請が承認されるといった不正を防ぐことができるのです。
また、ワークフローシステムでは閲覧制限、アクセス制限をかけることもできるので、セキュリティ対策といった面でも活躍します。
監査などが入る場合でも対応しやすくなるので、社内コンプライアンス強化といった側面もあります。
在宅勤務、テレワークにも対応しやすい
インターネット化が進んだこと、新型コロナウィルスが蔓延したことなどによって在宅勤務、テレワークを利用する企業が増えつつあります。
そういった際にもワークフローシステムは活躍します。
在宅であってもワークフローシステムの多くはモバイル対応のため、インターネット環境さえ整っていれば申請の確認や承認が可能となっています。
そのため、書類の確認や押印のためだけに外出、出社する必要がないということになります。
また、時間や場所にとらわれないため、出張先、外出先でもそれらの作業ができるということになりますので、出張が多い業種、職種などにも対応しやすくなっています。
担当者の負担を軽減することができる
ワークフローシステムを導入して書類を電子化することで申請から承認までのワークフローをオンライン上で完結できるようになります。
また、申請書類のテンプレートやフォーマットが用意されているので作成の時間、手間も大きく削減することができます。
作成、印刷、提出といった流れをシンプルにすることができるだけでなく、差し戻しの際はパソコン上で操作できますし、複数の承認者が必要な場合も閲覧しやすくなります。
過去の申請書を見たい場合にも検索すればすぐに確認することができるので、参考にもしやすくなります。
このように関係者、担当者の負担を大きく削減することができるというメリットがあるのです。
スピード化を進めることができる
ワークフローシステムを導入することで、申請から承認までの間で多くの手間が省けることとなります。
そうして意思の伝達、共有するスピードが速くなることで意思決定までのスピードアップが期待できるのです。
紙ベースの場合は提出先まで持参したり郵送しなければならないため、そこでも時間がかかりますが、電子化されたものであればその必要もありません。
また、モバイル対応していることで外出先や自宅からでも承認作業が可能となりますし、何か申請があった際には通知機能があるので、アラーム通知などで知らせることもできます。
こうしてすべてのワークフローがスピードアップされることとなるのです。
コスト削減が期待できる
ワークフローシステムを導入して電子化することで、申請書、稟議書などを紙媒体で作成する必要がありません。
このことによって「紙代」「印刷代」「郵送代」「保管費用」などのコストを削減することができるのです。
もちろんワークフローシステムを導入するのに費用はかかりますが、削減できる部分が大きいのでトータルではコスト削減が可能となると言えます。
ワークフローシステムの導入時のデメリットとは
ワークフローシステムを導入することで多くのメリットがあるのですが、いくつかのデメリットや注意点も存在しています。
ここではそれらの注意点を順に紹介していきます。
すべてを電子化できるわけではない
電子署名法や電子帳簿保存法などが次々と改正されていることで、多くの書類の電子化が進められています。
しかしいまだすべての契約書や申請書などが電子化されているわけではなく、紙媒体での原本保管が義務付けられているような書類も存在しています。
そのため、電子化に対応していない書類についてはワークフローシステムを導入した後も紙媒体での管理が必要となるのです。
導入して安定するまでが負担になる
これまでワークフローシステムを導入していなかった企業にとっては、システムを導入して安定して稼働しだすまでは大変かもしれません。
クラウド型の場合はある程度形式が決まっているので自社のタイプに合っているものを見つけることができれば使いやすい部分はあります。
ただし、カスタムすることは難しいので、ぴったりと自社の条件に合うかどうかはわからない部分もあります。
逆に自社でシステムを構築していくオンプレミス型の場合はシステム設計、構築などをしていかなければならないため導入に費用と時間が多くかかります。
カスタム性は高いものとなりますが、導入時の負担は大きなものとなります。
こうして導入をしたとしても、それまでの紙媒体での業務の進め方が電子化されたものに変わりますので従業員によっては使い方がわからず、一部の担当者に質問などをすることがストレスになるかもしれません。
講習会や研修会などを行って周知していくのにも手間がかかるでしょう。
外部システム連携が難しいことがある
近年では多くの企業で会計システムなどの業務効率向上ツールが使われています。
新しくワークフローシステムを導入する際に、そういった既存のシステムと連携できない場合があるのです。
ワークフローシステムを導入する際には、人事システム、会計システム、給与計算システムなどと連携することが多いのですが、こういったシステムと連携できないのであれば効率的にシステムを利用していくことはできません。
それぞれのシステムで独立して使うことになるので、むしろ効率は悪くなる可能性があります。
もしシステムを連携することができれば情報を共有できることになるので、二度手間を防ぐことができるようになります。
導入する前には必ず既存の外部システムと連携できるかどうかを確認しておくことが必要と言えるでしょう。
一部の担当者の負担が増える場合がある
ワークフローシステムを導入して安定して利用することができるようになってくると多くの従業員は負担が減ることとなります。
しかし承認者が変更になった場合などは担当者が変更処理をしなければならなくなります。
また、使い方がわからない従業員などは担当者に質問をすることとなるので、そういった対応業務も増える可能性があります。
さらにある程度上位の決裁者は色々なルートから承認要請が上がってくることとなり、承認作業が増えるという可能性もあります。
このように多くの従業員にとっては負担が軽減されるものの、一部の担当者にとっては負担が増加するということも考えられるのです。
システムの操作性には要注意である
こういった業務効率向上ツールは正しく利用すれば大きく負担を軽減できるものですが、使い方が難しい、操作性に問題があるシステムの場合は、従業員がうまく利用することができずに活用されないという可能性もあります。
せっかく導入して稼働し始めても、従業員がそのシステムを使わないということになるとまったく意味がないものとなってしまうので、「実際に利用する従業員が使いやすいシステム」を選ぶことが重要です。
ワークフローシステムの導入時のポイントとは
ワークフローシステムを導入する際には、いくつか選ぶポイントがあります。
それぞれのシステムを比較して、押さえておくべきポイントに注意して選んでいけば自社に合ったシステムを選ぶことができるでしょう。
ここではワークフローシステムの導入時のポイントについて紹介していきます。
クラウド型なのか、オンプレミス型なのか
ワークフローシステムには大きく分けると「クラウド型」と「オンプレミス型」という2つのタイプがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自社の状況や予算などに合わせて選んでいくことが重要です。
クラウド型は運営会社が提供しているサービスをインターネットを介して利用するというものです。
すでにシステムが出来上がっているものを使う形式となるので、申し込めば早い段階から使えるというメリットがあります。
また、月額使用料を支払っていく必要はありますが、初期費用は安く抑えることが可能となっています。
何かトラブルが有った際にも運営会社が対応してくれるので社内に専門知識を持った人が少ない場合でも安心して利用することができます。
そしてインターネット環境さえ整っていれば外部からでも利用しやすいというメリットもあります。
外出先や自宅から操作することが多いという場合にも対応しやすくなっています。
もう一つのオンプレミス型は自社内に専用のサーバーを設置してシステムを構築していくものとなります。
自社内でシステムを構築するために自社に合ったものにカスタムしやすいというメリットがあります。
また、自然災害などでインターネット環境が不安定になった際にも独立して利用することができるという強みもあります。
ただし、自社内にサーバーがあり、社内ネットワークを利用しているために社外から接続する場合には専用回線を設置する必要があります。
また、開発、構築、運用、保守管理などをすべて自社で行う必要があるため、社内に専門知識を持った人がいなければ利用していきにくいというデメリットがあります。
そして自社の専用サーバーなどを設置する必要があるため導入費用が非常に高くなるという特徴もあります。
自社の業種、職種にあったものかどうか
業種によっては必要となる機能、不要な機能というものが出てきます。
とにかく機能が多ければ良いというわけではありません。
機能が多くなれば一般的には利用料が高くなる、使い方が複雑になるというデメリットもあります。
重要なのは、自社が運用していく際に自社に必要な機能があるかどうかということです。
必要な機能を選んで、不要な機能を省いていけばそれだけコストを抑えることにもつながります。
実際に利用することを想定して、必要な機能が備わっているシステムを選んでいくと良いでしょう。
自社の従業員が操作することができるかどうか
こういったシステムを選ぶ際によくある失敗として、管理職などだけでシステムを選んでしまい、実際にシステムを利用する担当者や従業員の意見を聞かないということがあります。
実際に使わない人が選んでいることで、導入して利用してみると「使いづらい」「わかりにくい」といった声が出てくることがあるのです。
導入する前に体験版やトライアル版を使って実際に利用する人が使えるものかどうか、担当者が使いこなせるかということを試しておくことが重要だと言えます。
自社の既存システムと連携できるものを選ぶ
既存のシステムを利用している場合には、それらのシステムと連携できるかどうかを確認しておきましょう。
連携することができれば、「データ入力の二度手間を省ける」「入力時のミスを減らせる」といったメリットがあり、業務を効率よく進めていくことができます。
また、社内にある情報データの一元管理がしやすくなるので他のシステムを利用するときの効率も上がることとなります。
ワークフローシステムと連携されることが多いのは、会計システム、人事システム、予算管理システム、給与計算システムなどです。
これらのシステムで管理している情報データと連携することができるかどうかを事前に確認しておくと良いでしょう。
ワークフローシステムを導入する際に気を付けること
ワークフローシステムを導入する際にはいくつか注意しておかなければならない点があります。
効率的にシステムを利用していくためにもそれらをしっかりと押さえておきましょう。
類似のシステムとの違いを把握しておく
ワークフローシステムには類似のシステムもあります。
それらとは使用目的や使い方が違っているため、その違いをわかっていることが重要です。
ワークフローシステムは申請業務、承認業務などの業務フローを可視化し、効率化していくことが目的のシステムです。
それに対して「BPM」は業務プロセスを改善するのが使用目的です。
現在行っている業務プロセスのどこかに問題はないか、その部分を効率よくするためにはどうすれば良いのかということを考えて使用されます。
「グループウェア」は社内の情報データを従業員たちが共有していくことを促進することで企業全体の生産性を向上させ、業務効率を改善していくことが可能となるシステムです。
情報を社内で共有していくことでさまざまな運用をスムーズに進めていくことが可能となるものです。
それだけで独立しているツールもありますし、勤怠管理システムや経費管理システムにこの機能が搭載されている場合もあります。
こういった類似した機能を持つシステムとの違いを踏まえた上で、自社に必要なシステムを導入していくことが必要です。
システムを導入して終わりではない
こちらはシステムを導入して失敗に終わった企業に多い事例です。
システムを導入するということが目的となってしまい、導入したことで安心して放置してしまうというものです。
ワークフローシステムは導入しただけで多くの運用メリットがあるというわけではありません。
そもそも、紙媒体で行っていたワークフローシステムのどういった点に問題があって、どこを改善したいのかがはっきりしていなければいけません。
その上で、システムを導入し、それを適切に運用してはじめてその問題点が解決できるのです。
承認者が多すぎて手間となっていた、金額の小さいものまでいちいち申請しなければならなかったという問題点を解決していくためにワークフローシステムをうまく活用していく必要があるのです。
設定変更する際の流れを確認しておく
ワークフローシステムを運用していく際に、スムーズに活用できている状態でもそれがそのままずっと続くわけではありません。
企業が運営していく上で、必ず人事異動や組織変更が存在するからです。
これらが起こった際には権限設定変更、アクセス制限変更、承認者変更などの変更を行う必要があります。
こうした変更が必要になった際に、どのような流れで誰が変更作業を行うのかということをあらかじめ決めておけばスムーズに更新作業を行うことができます。
実際に変更が必要になってから動くのではなく、事前に変更があるという前提で準備しておくことが重要なのです。
ワークフローシステムの導入事例
ではワークフローシステムを導入したことで実際にどういった効果があったのかを導入した企業の事例を見ながら紹介していきます。
大幅なペーパーレス化と時間短縮に成功した企業
多くの駅ビルなどの箱ものを管理している大手企業では、その業種の特徴から外回りに出かける社員が多く、経費申請などの作業が大きな負担になっていました。
そこでこの企業では「ペーパーレス化」「時間短縮」を目標としてワークフローシステムを導入したのです。
社員数が数百人という大手企業だったため、講習会や研修会を丁寧に行い、経費申請、住所変更、休暇申請などの申請書をすべて電子化して申請することに成功しました。
このことで、年間1万件以上の稟議書類のペーパーレス化に成功し、大きなコストカットが実現されました。
さらに外回り、出張が多いという特徴のため決済が遅れるということがあったのですが、こちらも電子化されたことで別の場所からでも承認が可能となったことで大幅な時間短縮にも成功しています。
社員数が多かったため、利用が定着するまでは小さなトラブルはありましたが、ある程度利用が定着してくるとそれだけ大きなコストカットなどが可能となった事例だと言えるでしょう。
経費精算の手間を削減することができた企業
こちらの企業では経費精算システムをすでに利用していました。
そのため、申請や承認については自動化できている部分はあったのですが、交通費などの経費精算については手作業で入力しており、それを後に承認するというルートで行っていました。
全国に支店があり、出張や外回りの業務が多かったことから月末の経費精算作業が大きな負担となっていました。
そこでワークフローシステムを導入しました。
こちらのシステムにはICカードの自動読み取り機能があったため、交通費申請や精算を自動で行うことが可能となりました。
さらに全国にある支店から導入したシステムについて質問できるようにワークフローシステムに問い合わせフォームを設置したことでスムーズに対応できるようになりました。
これらによって交通費精算に関しての作業が大幅に削減されることとなったのです。
作業工程の大幅な削減に成功した企業
こちらの企業では申請書をグループウェア上にフォームを作成して、そこに保存した上で印刷して承認してもらうという流れで承認作業を行っていました。
申請の種類が多かったこと、申請数が多かったことからさまざまな種類の申請書が大量に提出されるということが続いており、申請作業の手間が莫大なものとなっていました。
しかしワークフローシステムを導入したことで、そこに備わっている申請フォーマット、テンプレートを利用し、自動で担当者のもとに申請が行われるように変更しました。
これによって申請に関わる工程が大きく削減され、追跡調査では申請書1枚に対して14~15分ほど、月に換算すれば延べ70時間以上が削減されることとなったのです。
こうして生み出した時間で別のコア業務を行うことができるようになったため、業務効率が格段に向上したという結果となりました。
ペーパーレス化およびスムーズに電子化に移行した企業
とにかく起案書、申請書、稟議書などが数多く出される企業がありました。
こちらでは紙ベースの書類が出るたびに多くの決裁者のもとに押印が必要な書類が回されてくることとなり、大きな負担となっていました。
また、紙の大量消費も問題視されており、担当が出張に出ているときなどは決済まで時間がかかるということも課題となっていました。
そこでワークフローシステムを導入したこの企業は、自社が利用していたグループウェアと連携できるものを選びました。
既存のシステムと連携がしやすかった、セキュリティ対策がしっかりとなされていたという他に決め手となったのが、「既存の紙フォーマットをそのまま電子化できる」ということでした。
これが可能だったためにスムーズに導入することができ、複数の承認が必要な場合のルートも自動設定することができたため、決済までの時間を大きく短縮することに成功したのです。
もちろんペーパーレス化が進んだおかげでコスト削減も実現しました。
社内の情報共有に成功したことで業務効率を向上させた企業
部署が多く、従業員の移動も多かったこの企業ではとにかく情報共有、情報連携ができていないことが多発し、業務効率が悪くなっていました。
社員同士だけでなく、本社と支社、営業所などの拠点間の情報共有もできていなかったことからトラブルも起きていました。
そういった問題を改善するためにグループウェアを含むワークフローシステムの導入が決まりました。
社員みんなが使いやすいシステム、申請をスムーズに行える機能だけでなく、選定のポイントとなったのは「情報共有がしやすい」ということでした。
それぞれの部署が行っているプロジェクト管理、タイムカードなどの勤怠状況、顧客情報といった情報が共有化されたことで、これまで起きていた情報共有不足による問題は一気に解決していきました。
また、外出先や自宅からでもそれらの情報を確認することができるようになったため、出張先や在宅勤務での業務効率も向上したのです。
それだけでなく、どの部署がどういった仕事をしているのか、誰がどのような勤務体制で動いているのかといったことが可視化されたことから閉鎖的な雰囲気もなくなり、開けた企業へと変貌をとげていったのです。
ワークフローシステムまとめ
ここではワーフクローシステムの機能、導入時のメリットやデメリット、選定時のポイント、導入して効果があった事例などについて紹介してきました。
ワーフクローシステムは業務効率を向上させる、内部統制を強化することができる、作業時間を削減できるといったメリットが多いシステムです。
自社の業務や他のシステムとの整合性が重要になるといった注意点はありますが、それぞれのシステムの機能、コストなどを踏まえた上で選んでいくことで自社に合ったシステムを選ぶことができます。
いきなり本格導入するのではなく、自社との整合性や従業員との適応性などを確かめるためにも無料版やトライアル版などを利用してまずは試してみるということが重要です。
自社の課題や問題点を調べ、それを解決できるシステムを選んでいきましょう。