国が利用を進めているマイナンバーはますます所有率が高くなってきています。
そのため、それらを効率的に管理することも求められるようになってきています。
そこでここでは「マイナンバー管理システム」の導入メリットや、選定時のポイントなどについて細かく紹介していきたいと思います。
マイナンバーとは
多くの人が持つようになってきている「マイナンバー」「マイナンバーカード」とはどういったものなのでしょうか。
ここではマイナンバー、マイナンバーカードについて簡単に紹介していきます。
マイナンバーカードとは
マイナンバーはそれぞれの個人が持つ「個人番号」であり、マイナンバーカードはマイナンバーが記載された顔写真付のカードのことを指しています。
マイナンバーカードにはICチップが付いており、氏名、住所、性別、マイナンバー(個人番号)と本人の顔写真が掲載されています。
また、単純に身分証明書としてだけではなく、さまざまなサービスに対応しているのが特徴です。
マイナンバーカードでできることとは
マイナンバーカードではさまざまなことができるようになっています。
ここではそれらの機能について紹介していきます。
・個人番号を証明する書類として利用できる
マイナンバー(個人番号)の提示が必要な様々な場面で、マイナンバー(個人番号)を証明する書類として利用することができます。
・各種行政手続きのオンライン申請が可能に
マイナポータルへのログインや、各種の行政手続きのオンライン申請に利用することができます。
・本人確認の際の公的な身分証明書
マイナンバーの提示と本人確認が同時に必要な場面では、マイナンバーカードのみで証明することができるようになっています。
顔写真付きの身分証明書として利用するための金融機関における口座開設・パスポートの新規発給などで利用することができます。
・オンライン取引で利用できる
オンラインバンキングや民間のオンライン取引に利用できるようになっています。
・他のカードとの一体化が可能に
市区町村や国などが提供するサービスで必要であったカードとマイナンバーカードが一体化できる場合があります。
・コンビニなどで各種証明書を取得できる
これはその自治体にもよりますが、役所まで行かなくてもコンビニなどで住民票、印鑑登録証明書などの公的な証明書を取得することができる場合があります。
従業員マイナンバーを適切に管理する方法
こうしたマイナンバーはそれぞれの企業においても従業員のマイナンバー管理を行う必要性を発生させています。
これは今までになかった業務とも言えるでしょう。
そこで注目されているのが「マイナンバー管理システム」です。
マイナンバー管理システムとは
企業で従業員のマイナンバー管理を行う必要が出てきたことから重要視されてきたのがマイナンバー管理システムです。
マイナンバー管理システムとは、企業が行わなくてはいけない従業員のマイナンバーの収集・保管・利用・破棄といった一連の流れをクラウド上で一括して管理できるシステムです。
紙媒体での保管と違って場所を取る、保管が面倒、紛失リスクがあるといったことがなく、セキュリティ体制も整えることができるという特徴があります。
従業員のマイナンバーについては、2016年1月から運用がスタートしたマイナンバー制度により、官公庁や自治体に提出する書面にマイナンバーを記載することが、すべての企業に義務付けられたことが関係しています。
そのため企業は、従業員のマイナンバーを適切に管理するための安全管理措置を考える必要性が出てきたのです。
個人情報保護委員会が公表している「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」では、マイナンバーを適切に管理するために、「基本方針の策定」と「取扱規程等の策定」という2つのルールを定めることや、「組織的安全管理措置」「人的安全管理措置」「物理的安全管理措置」「技術的安全管理措置」など、実務において望まれる措置が定められています。
企業は、このガイドラインに従って、従業員から収集したマイナンバーの漏えい、滅失、毀損などの事故を防止し、マイナンバーが不適切に使用されないよう、安全対策に万全を期す必要があります。
ここでマイナンバー管理システムが活用されるのです。
マイナンバー管理システム導入メリット
マイナンバー管理システムを導入することで多くのメリットが考えられます。
ここではそれらのメリットについて紹介していきます。
安全管理を行いやすい
マイナンバーはその人の個人情報が詰まった非常に重要なものとなっています。
そのため、マイナンバーを収集、管理する企業には厳しい安全管理措置対策が義務付けられています。
もし企業が管理している従業員のマイナンバーが不正に流出したりすると単純に企業のイメージが悪くなるというだけでなく、
管理担当者や責任者が損害賠償請求を受けたり、重い罰則(例:「4年以下の懲役」または「200万円以下の罰金」またはその両方)が科せられたりする可能性があります。
それだけ管理担当者には大きな負担と責任がかかることとなるのです。
こうした法律やガイドラインにしたがってマイナンバーを安全に管理できるのが「マイナンバー管理システム」です。
このシステムではペーパーレス化が行われているため、保管コストや紛失のリスクを軽減させることができるだけなく、暗号化やパスワードを使ってセキュリティ体制を整えることができます。
もちろん、ユーザーアカウント制御、ログや利用実績の正確な取得、外部からの不正アクセス防止が可能となることから、「組織的安全管理措置」「物理的安全管理措置」「技術的安全管理措置」の対策も行うことが可能となります。
マイナンバーの収集が安全にしやすい
マイナンバーを企業が集める際には法律に定められている利用範囲の中で何に対して利用するのかを通知・公表する義務があります。
また、マイナンバーを集める際には本人確認を厳しくしなければならないため、直接担当者の元まで来てもらったり、郵送でのやりとりなどを行う必要があります。
しかしマイナンバー管理システムを使えば、従業員などにリクエストメールを送り、そこで利用目的を通知した上で、システムに直接入力してもらうことも可能となります。
これで収集と通知を同時に行うことができるのです。
何度も書類のやりとりをするよりも早く安全に収集することが可能となるのです。
帳票や書類をすぐに発行することができる
企業が発行する源泉徴収票などの書類を発行する際にはマイナンバーを入力する必要があります。
その際に企業で利用している労務管理システムなどとマイナンバー管理システムを連携させておけば、源泉徴収票に自動的に反映されますのでマイナンバーの転記や入力が必要なくなります。
入力の手間や入力ミスを減らすことにもつながり、書類を迅速に出すことも可能となるので担当者の負担が軽減することとなります。
マイナンバー管理システム導入デメリット
マイナンバー管理システムにはメリットが多くあるのですが、いくつかのデメリットや注意点もあります。
事前にそれらを確認しておくことでスムーズに利用できるようになります。
費用がかかる
こういった業務効率を向上させるツールは運用していくのに費用がかかります。
初期費用や使用料金などでかかる費用と、導入することで得られるメリットを比較して費用対効果を考える必要があります。
自社の状況を把握した上で、必要かどうかを考えていきましょう。
クラウド型のものはセキュリティが重要である
紙媒体のものよりもマイナンバー管理システムの方がセキュリティ体制では優れていると言われています。
しかし、クラウド型のシステムはどうしてもクラウド上でマイナンバー管理を行うこととなりますので、外部からの不正アクセスなどのリスクはあります。
もちろん情報データは暗号化されてセキュリティはしっかりと行われますが、こういったセキュリティ対策はサービスを運営している会社によって違っていますので、導入前にどういったセキュリティ体制がとられているかを確認する必要があります。
マイナンバー管理システム選ぶ際のポイント
マイナンバー管理システムを選ぶ際にはいくつかのポイントがあります。
ここではそれらのポイントを紹介していきます。
タイプを選ぶ
マイナンバー管理システムには大きく2つの種類に分かれています。
「マイナンバー管理に特化した単独システム」と「労務管理システムのひとつの機能として組み込まれているタイプ」となっています。
すでに企業で給与会計システムなどを導入していて、それと連携して使いたい。
必要な機能だけを追加したいという時にはマイナンバー管理に特化したシステムを導入すると良いでしょう。
それに対して従業員の個人情報などを一元管理して労務管理したい場合などは労務管理システムにマイナンバー管理システムが組み込まれている一体化されたものを選ぶと良いでしょう。
こちらは人事労務担当者の中でもマイナンバー管理に関係した担当者だけがマイナンバー管理を行うことができるように権限を制限することが可能となっています。
自社に合ったものを選ぶ
自社のマイナンバー収集方法や管理方法に合ったものを選ぶということも重要です。
「画面入力型」「ID/パスワード方式」「ワンタイムURL方式」などの収集方法がありますので、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
マイナンバー管理システムまとめ
マイナンバーは個人情報の中でもトップクラスに重要なものとなっています。
そのため、企業での管理もそれだけ重要なものになります。
そこでマイナンバー管理システムを導入することで、安全で確実に従業員のマイナンバーを収集、管理することができるようになります。
ぜひ一度、体験版やトライアル版を利用してシステムを試してみましょう。