見積書とは、受注者から発注者に主に取引成立前に提示する金額や個数等の取引データが記載されている文書のことを指します。
発注者は見積書の内容から発注の判断をします。
見積書は企業が取引をしていく上で頻繁に作成されるものです。
一般的には契約を結ぶ前の段階で相手先に提出するものとなっており、契約する内容をお互いに確認するために作成されます。
取引先としては、この見積書の内容を確認して納得する内容であれば契約を結ぶということとなります。
それだけ重要なものであるだけに作成するのには時間や手間がかかるものとなっており、担当者の負担となっていました。
そこで活用されているのが「見積書作成ソフト」です。
ここではそんな見積書作成ソフトの機能やメリット、選定ポイントなどについて紹介していきたいと思います。

見積書作成ソフトとは

見積書作成ソフトには多くの機能があります。
ここではなぜそういった機能が必要だったのか、以前はどうやって見積書を作成していたのかといったことを合わせて紹介していきます。

手書きからパソコンなどへ

パソコンなどが普及する前は見積書は紙媒体に手書きで作成されていました。
しかしやはりこの方法では時間がかかりすぎるということもあり、パソコンが普及してくるとExcelやWordを利用して作成するように変化していきました。
この方法で作成する場合にはフォーマットが利用できる場合がありますが、それをダウンロードしてきて、会社に合わせた形に修正して書式を整えるといった作業はやはり必要でした。
そうして作成した見積書を紙媒体に出力して、その紙を提出するということが一般的となっていったのです。
現在でも利用されている方法ですが、出力した紙媒体を直接持参したりするといった手間がかかるのは変わりありませんでした。
また、フォーマットは合っても、あくまでも手作業で内容を入力して作成していく方法ですので、作成に時間がかかることもありました。
こうしてさらに効率化するために見積書作成ソフトが利用されるようになってきたのです。

見積書作成ソフトの基本項目

見積書作成ソフトを利用して見積書を作成していく際には色々な項目に必要事項を入力していくこととなります。

まず見積書の最初部分となるタイトルをつけていきます。
タイトル部分には「見積書」などの言葉が来ることが一般的です。
そして見積書を提出する取引先などの会社名や担当者名などを入力していきます。
「誰宛に作成した資料なのか」ということが一目でわかるようにするのです。
次に「発行日」を記載していきます。
見積書は場合によっては何度か提出することがありますので、「いつ作成したのか」をはっきりさせるためにも発行日を忘れずに記載する必要があるのです。

それから見積書を作成した人、発行した人の差出人名を入れていきます。
こちらは宛先欄に準拠して入れていくこととなります。
宛先欄が会社名だけの時には、差出人欄も会社名だけを入れます。
宛先欄に相手の会社の担当者名まで入れている場合には、差出人欄にも担当者名まで記載するようにします。
作成した見積書の内容に対して疑問や質問が発生した場合、すぐに問い合わせ対応できるように担当者の電話番号やメールアドレスなどを合わせて記載することが多くなっています。

後で作成した見積書の管理をしやすくしたり、検索しやすくするために見積書に通し番号を入れておくこともあります。
番号が重複しないように通し番号を入れておくと後々便利です。
そしてもっとも重要な「見積もりの合計金額」を記載しておきます。
誰が見ても一目でわかるように税込みで合計金額を大きく記載しておくのです。

見積書作成ソフトで作成される見積もりの内容項目

見積書には当然、内容や内訳といったものが細かく記載されていくこととなります。
ここで絶対に必要となる項目について紹介していきます。

まず必要となるのは「品目名」です。
どういった商品やサービスを提供するのか、その品目名を記載していきます。
そしてその品目それぞれに対しての「単価」を記載します。
基本的には1個あたり、1つあたりの単価となりますが、取引されるのがセット単位などの場合はその単位に応じての単価を記載しておきます。
どれだけの取引をしておくのかによって「個数」「数量」を記載していきます。
個数や数量などの記載が難しいサービスなどを記載する場合には個数は記載しなかったり、「一式」と記載することがあります。
そして品目ごとの合計金額を出していって「小計金額」を出していきます。
合計金額は小計金額に消費税などを加えて計算します。

見積書作成ソフトで他に記載される項目とは

品目名や単価といった基本的な項目のほかにも見積書作成ソフトで作成される見積書には記載される項目があります。
まずよく記載されるのが「備考欄」です。
補足したい内容があるときによく利用されています。
こういった備考欄にはさまざまな内容が記載されます。

見積書には「有効期限」がある場合があります。
見積書の発行日や提出日などと合わせて「いつまで有効なのか」「提出してからどれくらいの期間有効なのか」といったことが記載されることが多くなっています。
有効期限が過ぎるとその見積書は使用できないようになります。

見積書に提示する単価や合計金額などに後から場合によっては変更が発生する可能性がある際には、事前に前提条件を記載しておくとクレームやトラブルを防ぐことにつながります。
そしてこの見積書の内容や金額などに対して問い合わせをする場合に、どこに問い合わせをすれば良いのかをここに記載することもあります。
支店名、部署名、担当者名などの電話番号やメールアドレスなどを記載しておけば取引先も問い合わせしやすくなります。

最後にこの見積書の内容に納得して契約をした場合、発注から納品までどれくらいの期間がかかるのかについて記載しておきます。
この日程があれば相手側も納品までの目安がわかりやすいので安心です。

見積書作成ソフト一覧

見積書作成ソフトをご紹介します。

クラウド見積・納品・請求書作成ソフトの Misoca | 弥生株式会社

『Misoca(ミソカ)』は見積・納品・請求をかんたんに作成、まとめて管理。
請求業務を効率化するクラウド見積・納品・請求書サービスです。

【特長】
■見積書・納品書・請求書を簡単作成
豊富なデザインテンプレートからお好みのものを選んで文字を入力するだけ。印影やロゴを入れたオリジナルの請求書が、表計算ソフトよりも素早く簡単に作成できます。

■メール送付や郵送がワンクリック
メール送付・PDF発行・リンク共有・郵送もワンクリックで完了。請求書自動作成や自動メール送信、確定申告ソフトへの仕訳自動送信などの自動化機能で、経理業務の手間を大幅に効率化します。

■請求業務の運用・管理コストを軽減、本業に集中が可能に

■会計ソフトと連携して経理業務も効率化

■請求業務をより効率化する便利な機能が豊富(チーム機能・請求書の自動作成予約・スマホアプリ 等)

■初年度無償キャンペーン実施中
有償プランをどなたでも、初年度0円でお試しすることができます。
また月5通の請求書発行で永年無料で使える無料プランもご用意。

是非この機会にお試しください。

見積書作成ソフトの基本機能

見積書作成ソフトにもいろいろな種類のものがありますが、基本的に備わっている機能は似たものとなっています。
ここでは見積書作成ソフトに備わっている基本機能を紹介していきます。

発送代行機能

紙媒体の見積書は作成にも時間と手間がかかっていましたが、もっとも負担となっていたのは出力、印刷、仕分け、封入封緘、郵送作業といったものでした。
これらの手間を削減することができるのが発送代行機能です。
利用者はソフトを使って作成した見積書をそのまま郵送手続きまですることが可能となります。
ただ、利用するソフトによっては発行枚数に制限があったり、郵送する数に応じて従量課金がある場合もありますので、どれだけの量を発送するのかを事前に確認しておく必要があります。

入力ミス防止機能

こちらは見積書作成時に必要事項を入力している担当者の入力ミスを防止してくれる機能です。
例えば事前に品目を登録しておけば、入力補完が行われます。
過去に作成した見積書を複写したり、作成した見積書から納品書や請求書へと変換したりするということも可能となる機能です。
こちらの機能によって効率的に見積書の作成ができるようになります。

ステータス管理機能

こちらのステータス管理機能は、ソフトを使って作成した見積書について、取引が行われている案件が現在どのようなステータスとなっているのかを確認することができます。
「作成中」「送付済み」「受け取り済み」といったステータス管理が可能となるのです。
さらに見積書の後の注文書や請求書、納品書などについても管理できるようになっていることが多いので、こちらの機能があれば見積もり、受注、納品、検収といった一連の動きをすべて管理できるようになります。

見積書作成ソフトのメリットとは

見積書作成ソフトを使うことで多くの導入メリットがあります。
ここではそれらのメリットを順に紹介していきます。

業務の効率化が期待できる

見積書作成ソフトのテンプレート、フォーマットを使って見積書を作成することで大きく作成の手間を省くことができるのですが、さらに自動化機能、レイアウト機能、コピー機能などを利用することでさらに迅速化が可能です。
また、発送代行機能を使うことで、印刷や郵送にかかっていた手間も削減することができるようになるので、業務効率は大きく向上することとなります。
こうした見積書作成ソフトはインターネット環境さえ整っていれば簡単に利用することができるので、見積書作成業務を時間や場所を選ばずに行うことができるというメリットもあります。
ソフトを利用することで過去に作成した見積書を見ることもできるので、それを参考にして見積書を作成することもできるでしょう。

コスト削減が可能となる

見積書作成ソフトを利用して見積書を作成すると当然見積書はデータで作成されます。
それらのデータは出力や印刷、郵送といった必要性がなく、データのまま送付することが可能となります。
そのため、書類を印刷して発送するために必要となる「紙」「インク」「封筒」「郵送料」などの費用がかからないということになるのです。
こうしたペーパーレス化によるコスト削減が可能となるのです。

管理がしやすくなる

見積書作成ソフトを利用して見積書を作成した場合、その見積書に通し番号を入れておくことが可能となります。
そのため、管理もしやすくなりますし、必要な時には検索することもできます。
また、法令によって見積書は発行から7年間保存しておかなければならないということが決まっています。
こうした見積書を紙媒体で保存しておくためにはファイリングした上で整理して保存しなければなりません。
保存するための場所もとることとなります。
しかし近年では電子データで保管することが電子帳簿保存法の改正によって認められています。
このように見積書をデータ化することで保存も簡単になるのです。

見積書作成ソフトのデメリットとは

利用メリットが多い見積書作成ソフトですが、利用する際にはいくつかのデメリットや注意点はあります。
ただ、こうした注意点はあらかじめ知った上で把握していれば問題なく利用できることもありますので、まずは知っておくことが重要です。

インターネット環境が必要となる

こういった業務効率向上ツールを利用する際にはインターネット環境が必要となります。
逆にインターネット環境さえ整っていれば、パソコン、スマートフォン、タブレットなどさまざまな端末で利用することができるので、時間や場所を選ばずに利用することが可能となります。
そのため、インターネット環境が整っていない場所ではシステムを利用することができないということになります。

さらに普段は問題なくインターネットが利用できている環境であっても自然災害、天災などが発生した時にインターネットが利用できないということがあります。
こういった時には見積書作成ソフトが利用できなくなりますので、見積書作成ができなくなります。
急いで見積書作成をしている時などにこれが発生すると大変なので、基本形のテンプレートやフォーマットは用意しておくと安心です。
同時に得意先、取引先の住所や連絡先も紙媒体で準備しておくとさらに安心です。

情報漏洩や改ざんのリスクがある

見積書は取り扱っている商品やその単価など企業にとって非常に重要な情報が記載されている書類となります。
そのため、この見積書が社外に流出してしまうということはライバル会社などにとっては大きな情報となってしまうことがあるのです。
自社内に紙媒体で存在している見積書をライバル会社が入手することは難しいことですが、データ化されてクラウド上に存在しているものであればサイバー攻撃などによって入手されたり、改ざんされてしまうという可能性があります。
もちろん、それぞれの見積書作成ソフトを運営している会社はそういったセキュリティ面には十分に注意されていますが、可能性がまったくないというわけではないのです。

見積書作成ソフトの効率的な利用の仕方は

見積書作成ソフトにはさまざまな種類があり、自社に合ったものを選ぶことが重要となります。
また、そのソフトの使い方を正しく知っておくことがもっとも効率的に利用していくことにつながります。
ここでは見積書作成ソフトの効率的な利用の仕方について紹介していきます。

見積の明細および取引条件を明確に記載する

見積書作成ソフトを利用すれば基本的に決まったフォーマットに必要事項を入力するだけで見積書は完成していきます。
ただ、単純にそれだけでは相手側に親切な見積書にはなりません。
見積金額に含まれるもの、含まれないものの明確化や、着手金が必要なのかどうなのか、有効期限はあるのか、前提条件が設定されているのかといったことをはっきりと記載しておくことが相手側にとって親切な見積書となりますし、後々のトラブルを回避することにもつながります。
こういった内容は見積書作成ソフトの「備考欄」などを利用し入力していくと効率的です。

期限などはしっかりと守って利用する

手作業で見積書を作成する際にはとにかく時間がかかるということもあって、十分な時間をとって作成をする人が多いのですが、見積書作成ソフトを利用すると慣れてくれば数分程度で見積書を作成することができるようになります。
だからといって見積書の提出期限のギリギリにソフトを使って見積書を作成して発送代行機能を使って相手側に送付するというのはおすすめできません。
しっかりと期限よりも早めに見積書を作成して相手側に送付もしくは可能であれば直接持参することでより好意的に受け取ってもらえることにつながります。
ソフトを使って便利にできることに慣れてしまわないということも重要だと言えます。

納期の設定には注意を払う必要がある

見積書作成ソフトを利用して見積書を作成していると「納期の設定」をすることになります。
もし受注した場合に、納品までにどれくらいの期間が必要となるかを設定するものですが、この納期の設定は慎重に行う必要があります。
もし設定した納期が遅すぎると、早く納品してほしい取引先は他の会社を探してしまうことになります。
逆に納期を早く設定しすぎると、かなり無理をすることになりますし、設定した納期が守れなかった場合には会社の信用問題となってしまいます。
そのため、納期の設定をする際には慎重に決めていく必要があるのです。

見積書作成ソフトの選定ポイントとは

見積書作成ソフトにはいろいろな種類があるので、選ぶ際に悩むことがあるかもしれません。
そこでここでは見積書作成ソフトを選ぶ際のポイントについて紹介していきます。

自社にとって必要な機能が備わっているか

見積書作成ソフトには多くの基本機能とオプションとして追加できる機能があります。
機能が多いほど使いこなせば便利となっていきますが、中には自社には必要のない機能が入っている場合もあります。
基本的には機能が多いほど利用料金も高くなりますし、使い方が複雑になっていくため、不要な機能が多く搭載されていることはマイナスにしかなりません。
重要なのは「自社に必要な機能」が備わっているかどうかなのです。
見積書作成ソフトでいえば、「発送代行機能」「入力ミス防止機能」「ステータス管理機能」などの主な機能が備わっていて、その他に必要な機能だけ追加すれば十分だという場合があります。
取引先が国内だけでなく海外にもある場合などは英文翻訳ができる、英文に対応しているということが重要となりますし、単価や合計金額の部分で外貨対応ができるかどうかという機能も重要となってきます。
このように見積書作成ソフトでは機能が多ければよいというわけではなく、「自社に必要な機能があるかどうか」を重視することがポイントと言えます。

自社の既存ソフトや銀行口座などと連携することができるか

見積書作成ソフトを導入する際には、自社ですでに利用している会計ソフトなどと連携することができるかは非常に重要なこととなります。
もし連携できなければ、別々に情報を入力しなければならないこととなり、入力ミスなども起こりやすくなります。
また、連携できる場合であっても、すでに存在しているデータをそのまま利用できるかどうかということも重要です。
連携した後でデータを入力しなおすということになると莫大な時間がかかることとなってしまいます。

もう一つ重要なのは「銀行口座との連携」です。
見積書作成ソフトによっては銀行口座と連携することで、入金されたら自動的に消込してくれる機能が備わっているものもあります。
これは請求した金額と入金された金額との間に差異がないかどうかを自動的に確認できる機能です。
やはり銀行口座と連携することができるかどうかによって手間がかなり変わってくることを知っておく必要があります。

コストパフォーマンスのバランスがとれているか

見積書作成ソフトにはさまざまな機能が備わっていますが、それらの機能が「基本料金」に含まれるのか、「オプション料金」となるのかは必ず確認しておかなければいけません。
発送代行機能などは便利に利用できるものですが、実際に利用すると郵送費が多くかかってくる場合があります。
自社に必要な機能と全体のコストとのバランスを考えて長期的に使用する前提で考えていくと自社に適したソフトを選ぶことができるでしょう。

無料体験版、トライアル版は用意されているか

こういったソフトは「実際に使ってみなければわからない」ということが多くあります。
特に見積書作成ソフトには企業によってフォーマットを調整したり、自社に合わせてカスタマイズしてみないと実際に使えないことがあるため、そのソフトを実際に使ってみないとわからないことが多いのです。
そのため、いきなり多額のコストをかけて本格的にソフトを導入し、その後「思っていたのと違う」ということになると多大な損失となってしまうのです。
これを防ぐためにも「無料体験版」「トライアル版」などを利用することが重要となるのです。
こうしたものを無料で一度利用してみた上で、使いやすい、気に入った場合に本格的に導入するという方法をとれば効率的にソフトを導入していくことができるでしょう。

サポート体制がしっかりと整っているか

実際にソフトを利用して見積書を作成していると、「こうしたいのにできない」「この機能の使い方がわからない」ということが出てくることがあります。
そういった際には導入後のサポート体制が整っているソフトであれば安心です。
不具合が出た、といったときに問い合わせの電話、メール、チャットなどができるのかどうか、24時間体制で対応されるのかといったことが重要となるのです。
平日の何時から何時だけ対応、土日祝は対応していないなどさまざまなパターンがありますので、自社の稼働体制と照らし合わせて確認しておく必要があります。
他にも困ったことが起きた、トラブルが起きたということもありますので、サポート体制が整っているかどうかは必ず事前に確認しておきましょう。

見積もり書作成ソフトまとめ

業務効率を向上させていきたいという企業にとっては見積書作成ソフトは非常に魅力的なソフトと言えます。
発送代行機能や入力ミス防止機能などを利用することで担当者の負担を大きく削減することができるだけでなく、見積書をデータとして保存しておくことができるというのもメリットとなります。
見積書の作成から受注、請求、納品、入金、書類の保存までの一連の作業をスムーズにすることができるソフトなのです。
また、利用したことがないという企業は無料体験版やトライアル版などを利用してまずは一度試してみると良いでしょう。