世界的に情報が溢れてくるようになってくると重要なのが情報を集めるということだけでなく、情報を整理し、正しく活用するということになってきます。
会社内でも、色々な担当者個人がそれぞれに情報を確保している状況だと、必要な時にその情報がどこにあるのかわからなくなる場合があります。
そこでここでは、欲しいデータを欲しい時に活用することができる「エンタープライズサーチ」について紹介していきたいと思います。

エンタープライズサーチの主な機能は?

「エンタープライズサーチ」とは会社内、企業内のそれぞれの部署にある情報データを横断して素早く検索することができる社内検索エンジンのことを指しています。
それぞれの保管場所などを気にすることなく、一括で横断検索できるという強みがあります。
また、多くの機能を持っているエンジンでもありますので、ここではそれらの機能について紹介していきます。

検索機能

会社内にあるすべてのフォルダ、ファイル、文書内のテキストなどを対象として検索することができる機能です。
また、こうした検索に時間がかからず、すぐに結果が出ることでストレスを感じさせません。
こういった検索システムはパソコンに備わっているものですが、エンタープライズサーチの検索は複数のサーバーやシステムを横断して検索をすることができます。

また、ソフトやサービスによって多少の違いはありますが、
・条件を詳細に指定して検索する詳細検索機能
・検索条件を保存することができる条件保存機能
・検索したデータと似ているものを検索できる類似検索機能
といった機能が付いている場合もあります。

アクセス権限管理機能

こうした会社内の重要な情報はだれでもすべての情報を検索することができるようにしておくのは危険です。
そこで使用されるのが、アクセス権限管理機能です。
これは利用するユーザー、部署単位でアクセス権限を設定できる機能です。
重要度の低い情報は誰でも見ることができるようにしておき、閲覧の制限したいデータについてはそのデータにアクセス制限を設定することで指定した社員だけが閲覧することができるようになります。
この機能によって情報の漏えいなどを鵜セグことができます。

RSS機能(情報収集機能)

RSSは「Rich Site Summary」を略したもので、サイトの更新情報や新着情報などをキャッチして配信することができる機能です。
社内でよく使うサイトを事前に登録しておくことで、そのサイトの更新情報や新着情報をキャッチすることが可能となります。
すべてのエンタープライズサーチに備わっている機能ではありませんが、搭載した製品が増えてきています。

サジェスト機能

こちらはキーワードを入力することで候補ワードを表示することができる機能です。
よく利用するワードなどから候補を表示してきますので、素早い検索が可能となります。
また、検索内容を絞り込みたい場合にも便利ですし、誤入力を防ぐといった効果もあります。
そしてこのサジェスト機能には検索補助機能としての効果もあります。
はっきりと検索ワードが思いつかない場合でも、近いワードを入力すれば正しいワードを導いてくれるという機能があるのです。

エンタープライズサーチ導入のメリットは?

ではこれらの機能を使ってエンタープライズサーチを利用していくにはどういったメリットがあるのでしょうか。
ここではそれらのメリットを順に紹介していきます。

導入が簡単である

こうしたツールを新しく導入する際には面倒なイメージがあるのですが、エンタープライズサーチを導入する際にはシステムをインストールするだけで良いため、非常に簡単となっています。
インストールして起動すればすぐに利用することができるので、特にITの専門家がいなくても利用することができます。
初期設定などで悩む場合は、サービス元の会社のカスタマーサービス、サポートを利用するのも良いでしょう。

社内で情報の共有ができる

エンタープライズサーチは社内の情報を横断的に検索して利用することができるので、部署同士、社員同士の情報の共有がしやすいというメリットがあります。
いちいち個別に情報のやりとりをする必要がないので、業務の効率化もはかることができます。
情報のやりとりをする際には容量の大きいデータは送受信にも時間や手間がかかるものですが、それらを直接検索してアクセスできるので動画ファイルなどを検索する際にも便利です。

また、単純に保存されているデータを検索するというだけでなく、保存形式や保存された日時なども指定して検索することが可能なので、いつ使われた資料なのかを特定しやすいというメリットもあります。
莫大なデータの中から必要な資料、データを探すのは時間がかかるものですが、素早く検索することができるのでデータ収集時間を劇的に短縮できるのは業務の効率化、コストの削減にもつながると言えます。

セキュリティの向上

データの共有化をする方法としては、専用の共有フォルダに情報を詰め込んでおき、そこに誰でもアクセスできるようにするというものがあります。
しかし、この方法は検索するのに時間がかかるというだけでなく、誰でもアクセスできるためセキュリティ対策ができません。

しかしエンタープライズサーチでは、部署ごと、社員ごとにアクセス制限を設定することができます。
こうした設定を行うことで、重要なデータ、個人データなどは自由に見れないようにすることができるので情報漏洩を防ぎ、セキュリティ対策を行うことができます。
アクセス権限管理機能をうまく使っていきましょう。

エンタープライズサーチの選び方・導入する際の注意点!

メリットの多いツールではあるのですが、導入する際にはいくつかの注意点もあります。
ここではエンタープライズサーチの仕組みと導入時の注意点について紹介していきます。

エンタープライズサーチの仕組み

導入する際にはまずエンタープライズサーチの仕組みを知っておく必要があります。
使用する際には専用のサーバーにエンタープライズサーチのシステムをインストールし、検索対象となるストレージへの認証設定をしていきます。
その後、正常にシステムが起動するとデータを巡回、収集する「クローラー」と呼ばれる機能が自動で動作を開始していきます。
そして検索対象に設定したストレージ内にある情報を専用のサーバーに蓄積していくこととなります。
こういった動作のことを「クローリング」と言います。

このクローリングにかかる時間、期間については、そもそも対象としたデータ量によって大きな違いが出てきます。
データ量が少なければ数日程度で終わることがありますが、ある程度の量がある場合は1~2週間程度かかることがあります。
ここでクローリングを行うことが、後で適切にエンタープライズサーチを使用していくことにつながります。
一度それまでのデータのクローリングを行っておけば、それ以降は日ごとに更新データのみがクローリングされていくこととなります。

エンタープライズサーチの導入時の費用、ランニングコスト

エンタープライズサーチを導入する際には費用がかかってきます。
これは一律なものではなく、企業内にどれだけのデータがあるのかといったことや、それだけの機能をオプションでつけるかといったことが変わってくるため大きな差がでてきます。
また、導入時だけでなく、年単位の契約の場合は年間の使用料が、月単位の契約の場合は月額使用料がかかってくることになります。

エンタープライズサーチを導入することで多くのメリットがあるのですが、こういった費用がかかってくるため、費用対効果を考える必要があります。
うまく使いこなせなければ、ランニングコストだけがかかってくることとなり、無駄の多い導入となってしまいます。

具体的な費用としては専用のサーバー費用があります。
社内にデータ量が多い場合は、大容量のサーバー、複数のサーバーを用意する必要があるため、それだけ費用がかかることとなります。
こうした導入費用、使用料の他に保守費用がかかります。
ただ、使用料については最初に利用ライセンスを購入する「買い切り」の形もありますので社内の予算に応じて考えると良いでしょう。

導入してからどのように使用するのかが重要

こういったツールは導入時にさまざまな考察がされることが多いのですが、一度導入してしまうとそれで安心してしまうということがあります。
導入時も重要ですが、導入してからどのように使用していくのか、どういった目的で利用していくのか、誰が利用するのかといったことを考えた上で使用していかなければ宝の持ち腐れになってしまうこともあります。
むしろ導入後が重要だと言えるでしょう。

サポートやフォローがどれだけあるかも重要

こうしたツールを導入する際には社内に専門的に詳しい人がいる場合を除いては、運営会社のサポートやフォローがしっかりしているということが重要となります。
どのように利用するのかといったことや、トラブルの対応、導入後の効果の検証などをフォローしてくれる運営会社だと、効果的に利用していくことができます。
特に導入実績が多い会社はこうした効果の計測方法や過去の実績データがありますので、より効果的に利用するためのアドバイスをくれる場合があります。
どういったサービスがあるかわからない場合は「無料体験」「トライアル」などを利用するのがおすすめです。

エンタープライズサーチまとめ

社内にある莫大なデータを正しく管理、活用することができるエンタープライズサーチはうまく使えば、業務の効率化、人的コストの削減を行うことができます。
情報化社会はますます進んでいくということを考えると、こうしたツールを効果的に活用していくことが重要になってくると言えるでしょう。
本格的な導入をする前にまず無料体験やトライアルなどを利用して、その効果を試してみましょう。